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◆ Be a Sword-Master, Girl!
(アーガマでの日々―
 「炎ジュン」の瞳に映る、エルレーン)
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恐竜剣法とエルレーン、そしてキャプテン・ラグナについて。
この頃の彼はまだ「キャプテン」ではないですが。
前途洋洋たる若者だったわけです。

「炎ジュン」が思い出した「約束」…
後々、また出てきます。

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◆ Sister-Sister
 (アーガマでの日々―
  「炎ジュン」の瞳に映る、エルレーン)
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キャプテン・ルーガの妹・リーアとエルレーンの章。
前作getter robot another storyで、彼女たちは一回対決しています
第五章Mensch oder Scheusal, wer ist jeweils wer...?
今回は、二回目。
キャプテン・ルーガと共に暮らしてきたエルレーンは、
多少なりとも彼女に対抗しようとしますが…
それでも、泣かされてます(笑)
口げんかで勝てるようなタイプではなさそうです。
エルレーンを打ちのめしたのは、それだけではなく…
あのいまいましい「ハ虫人」のガキであるリーアは、
自分の大好きな「トモダチ」、
キャプテン・ルーガの「妹」であるという動かしようのない事実です。
それでは勝てない、その絆には勝てない、と…

以前のゲッター小説でも、この「妹」っつーファクターは使ってました。
「リョウ」という章の、サブタイトル…
「私と同じモノで出来た、私の…」
この後に省略されているものは、もちろん…

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◆ The Half Moon
 (アーガマでの日々―
  「炎ジュン」の瞳に映る、エルレーン)
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リョウとエルレーン、そして彼らの内緒話を聞く「炎ジュン」の章。
彼女の胸にこみ上げる喜びと、そして罪悪感。
そう高らかに誇ることもできず、だが一方では少女の真摯な愛情に胸を打たれている。
相容れない感情が、彼女の中に同時にある。
それは、そう…半月のように。

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◆ "Wiegenlied"(「子守歌」)
 (アーガマでの日々―
  「炎ジュン」の瞳に映る、エルレーン)
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とうとう、「ハ虫人」の彼女の身体に限界がきます。
それが示すもの、それは…結局、「人間」と「ハ虫人」は
同じ天を頂くことはないということ。
かつて、地下で暮らしていたエルレーンやNo.0(エルシオン)は、
太陽の光を浴びなかったことで変調をきたしました。
そしてそれは死につながる…
ですが、逆にエルレーンたちが生きることのできる地上では、
ゲッター線によって、「ハ虫人」である彼女は…

出てくる歌の元ネタは、モーツァルトの子守歌…フリース作曲の奴です。
本来は、"Prinzchen(王子様)" だったんですが、"Prinzessinchen(お姫様)" に変えました。
そして、プロローグの「神話」同様、一文字ずつずらしています。
どう発音するかは、まあ…想像ってことで。

Schlafe, mein Prinzessinchen, schlaf' ein,
Schaefchen ruh'n und Voeglein.
Garten und Wiese verstummt,
auch nicht ein Bienchen mehr summt,
Luna mit silbernem Schein
gucket zum Fenster herein,
schlafe beim silbernen Schein,
schlafe, mein Prinzessinchen, schlaf' ein,
schlaf' ein, schlaf' ein.

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◆ The curtain falls.(劇終)
 (アーガマでの日々―
  「炎ジュン」の瞳に映る、エルレーン)
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楽しき日々は永遠に続くわけではなく、
やがて訪れるは劇終の時。
そして「炎ジュン」は舞台を降り、
「キャプテン・ルーガ」に戻る…

様々なモノを、様々な人に残して。

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◆ かなわぬゆえに、美しい「夢」〜最後の戦いの場へ
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哀しいぐらいに露骨で、切なく…そして、美しい夢。
それが、キャプテン・ルーガが眠りのうちに見た、最後の夢です。
少女は、自分の生んだ「たまご」から生まれる…すなわち、あの子を自分の「子ども」にして、
自分だけのものにしてしまいたいという欲望
(私的には、「ハ虫人」は「卵生の哺乳類」として考えています
つまり、「たまご」というかたちで子を産みますが、授乳もするのです
…ほら、生物の授業で習いませんでしたか、…カモノハシ(笑))。
夢でなければよかった。
そうすれば、しあわせだったろうに。
だけど、夢でよかった。
そうでなければ、あの子は…「人間」のあの子は、いとおしい「仲間」、同じ「人間」とくらせないだろうから。

そして、そのどちらにしても。
彼女自身は、もうその中には含まれてはいない…

キャプテン・ラグナの制止も振り切り、キャプテン・ルーガはただ自分の思う道を往きます。
かつて、死に瀕し、全ての希望を失ったエルレーンがそうしたように。
ですが、キャプテン・ルーガの胸を満たすのは、エルレーンの抱いていたような「絶望」ではなく…
彼女が選んだ死に装束の「名前」は、「銀機甲鎧(ぎんきこうよろい)」。
白銀の鎧まといし、女龍騎士の往く先は…たった一つです。

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◆ 現実は常に唯一、そこから生まれる物語こそ無限
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この章は何かというと、キャプテン・ルーガの皮肉です。
「ハ虫人」としての、「人間」に対する。
正直、恐竜帝国の科学力はすごいものがありますので、
中途半端な科学で地球を汚す「人間」に対しては
「何と愚かな生物か」としか思われないんじゃないでしょうか。

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◆ 転向・転身・もしくは…天命
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キャプテン・ルーガの問いかけに、少女は答えた。
自分は「人間」だ、と。
そう答えたのなら、そう信じているのなら、
以前のような―結局、「兵器」に舞い戻ってしまった以前のような
悲劇的な運命を、彼女は決して選ぶまい。

だから、キャプテン・ルーガは確信し、安堵したのだ。
少女は、確かに変わったのだ、と。

後は、自分にできるのは、
彼女の行く道を、切り開いてやることだけ。

自分の身命を持って。

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◆ Soul of Dragon(「龍の魂」)
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テレビアニメ版ゲッターロボでも、
ものすごく正々堂々としたキャプテンがいました。
彼らのように清廉なこころを持つ「敵」を
脇役だけど書いてみました。
キャプテン・ルーガと同じ、龍騎士(ドラゴン・ナイト)の魂を持つ…

そして、この章でキャプテン・ルーガが叫んだ龍騎士(ドラゴン・ナイト)の定義。
それこそ、かつて鉄也がダンテに操られた時、エルレーンが彼に対して叫んだモノ。
…つまり、彼女も。
彼女もまた、龍騎士(ドラゴン・ナイト)の魂を受け継ぐ者なのです。

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◆ The Sword-Master(「剣聖」)
〜But, All Who take the Sword will perish by the Sword〜
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今回のスパロボ編では、エルレーンが恐竜剣法を使うシーンを
ゲッターロボ編より多くしてあります。
それは、すべてこのシーンにつながります。
剣聖キャプテン・ルーガの、最後の戦い…
そして、少女に伝える、最後の奥義。

「すべて剣を取る者は、剣にて滅ぶ」
(新約聖書・マタイによる福音書より)


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