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◆ Are you "the arms", like your
Getter Robot?
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かつて、エルレーンがリョウたちを殺すのをためらったのは、
「敵」でもあるし、「トモダチ」=「仲間」でもある
という、二律背反に陥っていたからです。
「敵」なら、殺す。「仲間」なら、守る。
そのどちらでもあったリョウたちを殺す事に、だから彼女は踏み切れなかったのです…
しかし、No.0はそうではない。
彼女は、純然たる「敵」…だから、殺す。
それが自分と最も近しい存在であったとしても…
さて、ここで、ハヤトはエルレーンを
今のお前は、昔のリョウと同じだ
と非難しています。
ですが、正確に言えばこれは誤っています
(相手を『敵』をみなし、ただ殺そうとする点は同じですが)。
何故なら、リョウは、相手を憎み嫌い拒絶するあまりにそうしようとしましたが、
エルレーンは、No.0が「恐竜帝国の手先=リョウたちの『敵』」という理由のみで
No.0を殺そうとしているからです。
そのあまりにロジカルな判断は、「仲間」たちを驚かせ、ぞっとさせます…
No.0の事を、
「りんり」がない壊れた「兵器」だ
と言う、エルレーン(No.39)…
彼女もまた、「りんり」が欠けてしまっている少女なのです。
そして、その「りんり」…それを別名で、
「正義」
とも呼ぶのです。
追記:ベンケイの疑問の「答え」↓
それは、この長い物語、その序曲が示す…
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◆ 薄暗闇に沈む、過去
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残酷で乱暴、キ○ガイ寸前の振る舞いを見せてきたNo.0(笑)。
この章は、いや実はそうではない、そうではなく…
彼女の過去、「ハ虫人」たちの間で孤独に生きてきた
(そして見捨てられた)つらい人生がために
彼女はあそこまで歪んでしまった、ということを書いています。
エルレーン(No.39)と、No.0。
彼らの間にある大きな差は、調整(モデュレイト)のあるなしというだけでなく…
「管理役」の差が生み出したものなのです。
エルレーンの管理役は、キャプテン・ルーガという女性でした。
彼女がNo.39に取った態度は、この章でNo.0が受けたものとはまったく違っています。
(前作の「キャプテン・ルーガ」の章を参照)
対して、キャプテン・ビクトという男性が、No.0に取ってきた態度。
それは一貫して冷たく、管理役という立場にありながら
ほとんど彼女とは接触せず、無視に近い状態を続けていました。
しかし、それは実は「ハ虫人」としてむしろ当たり前な態度…
憎むべき異種族、「敵」である「人間」に対しての。
…つまり、エルレーンは…そのことに関しては、異常に幸運であったのです。
彼女の管理役・キャプテン・ルーガは…
偶然にもその意識が非常に薄い(または、「エルレーンは『人間』であるが、自分たちの『仲間』である」という
非常にさばけた考え方を自然にすることが出来た)人だったからです。
それは当然、流竜馬のクローンに対する接し方の差となり、そして…
ひいては、エルレーンたちの世界観の差、人格の差にもなったのです
(ですが、キャプテン・ビクトをそう簡単に愚かだとか冷酷だとか言う事は出来ないはずです
…何故この現代社会において、今なお種々の差別問題は残り続けているのか…?!)。
つまり。
もしも、No.0の管理役がキャプテン・ビクトではなく、キャプテン・ルーガだったら…
No.0は今のようではなく、むしろエルレーンのようになっていた可能性のほうが高いのです。
(「えへへぇ、ルーガだいすきぃ!」)
基本的信頼感。エリクソンによる、乳児期の発達課題。
ああ、だから、「親」というモノがどれほど重要かわかろうというものだ…!
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◆ 目覚めよ深遠なる闇の底から、深き眠りのうちに在る邪神よ
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ついに登場…マジンカイザーと並ぶ脅威の機体、
ゲッターロボの最終形態。
…真・ゲッターロボ!
ちなみに当小説では、ベースとなっているゲーム作品
スーパーロボット大戦α外伝
が、同じくゲームのスーパーロボット大戦αの続編という形になっていますので、
αでの設定「真・ゲッターは早乙女博士が何かに駆り立てられるようにして作った機体」という設定を
そのまま引き継いでいます。
ゲーム・α外伝でも、真・ゲッターは、最初は「敵」…恐竜帝国のマシンとして登場します
(乗っていたのはバット将軍…何と、彼はゲッター線で身体を侵されながらも
真・ゲッターを駆り続けていた!)
「角には、角。牙には、牙」というのは、前にちょっとガレリイ長官も言っていましたが
恐竜帝国での「目には目を、歯には歯を」の意です。
後、
…No.0さん、人の名台詞盗ってます(笑)
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◆ "Glory of Freedom or Death as an
Arms"
〜殺意のカノン
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リョウの説得を受けたNo.0…ですが、彼女は激しい混乱の末、
その説得を拒絶し、彼の差し伸べた手を退けます。
何故なら、彼は『敵』だから。
信じられない、信用できない…だから怖い。
ですが、それでもリョウはあきらめない…
しかし。
その説得のさなか、彼がうっかりと口走ってしまった言葉…
それによって、No.0は態度を硬化させてしまいます。
「あの時」…そして、「昔」。
つまり、それは。
リョウが今目の前に見ているのは、No.0という少女ではないということの証です。
リョウの説得失敗を見、エルレーンは
もはやリョウには戦う意思もなく、このままでは奴に殺されてしまう
と判断し、強引に自分が表舞台に躍り出ます。
同じ顔、同じ身体。
罵倒すらが同じような響きを持ち、まったく同じように彼女たちは猛る。
それは、戦場を彩る忌まわしきカノンになる…
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◆ 機械蜥蜴愛ずる姫君たち
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エルレーンvs.No.0。
リョウやハヤトの意に反し、エルレーンは決然とNo.0に戦いを挑みます…
なぜなら、彼女はリョウの、ゲッターチームの「敵」だから。
そして、その戦いで、彼女はNo.0に「明らかに自分のほうが上だ」ということを
見せつけています。
メカザウルス・ロウを操ってみせることで…
しかし、ロウは己の意思でその操り糸を断ち、No.0を守り、エルレーンを攻撃しようとします。
これは、よくスパロボである、「パイロットとロボットの間にある、断つことの出来ない固いつながり」のあらわれです
(No.0のセリフ、「俺たちの血の絆、鉄の絆…」も、思いっきりそれを意識しています)。
それをメカザウルス・ロウに行わせたのは、そのようなつながりが何も「正義」の特権ではなく
「敵」サイドにあってもいいじゃないか、という思いからです。
パイロットとロボットの間の熱い友情…別に、「敵」にもあってもいいじゃんか、ねえ(笑)
そして。
ここでエルレーンが垣間見せた冷酷な一面
(この章を読んで、「むしろNo.0のほうがかわいそうになった」とか
「エルレーンはちょっとひどすぎる」とか思っていただけたなら、私の意図どおりなのですが)。
それは、ゲッターチームのメンバー、車弁慶をどこまでも絶望させます。
昔のエルレーンを知らなかった、それ故に、その戦いの様は衝撃的で…
ゲッターチームの中でただ一人、過去を知らない男。
彼のエルレーンを見る目は、リョウやハヤトとかけ離れてしまう…
そして、彼の見る目こそが、プリベンター皆の見方と最も近い。
さて、下はまったく役に立たないおまけです(笑)
この章でエルレーンが使用した、メカザウルス・ロウ音声認識操縦モード用のキーフレイズです。
やはりprologueの「神話」同様、ドイツ語文をいじっています。
☆★これでキミもメカザウルス・ロウを操縦できる?!
メカザウルス・ロウ音声認識操縦モード用キーフレイズ一覧表★☆
キーフレーズ | 原型(独語) | 日本語 |
Molg fir! | Folg mir! | 私に従え! (音声認識操縦モード開始) |
Vueck ror! | Rueck vor! | 進め! |
Zeh gurueck! | Geh zurueck! | 退け! |
Vriff Forbereitungen tuer... | Triff Vorbereitungen fuer... | …用意! |
Dugel mes Kugmas | Kugel des Magmas | 炎熱マグマ弾 |
Aeich wus! | Weich aus! | 回避! |
Rchiess eketen sab! | Schiess Reketen ab! | ミサイル発射! |
Ei in Salarmbereitschaft! | Sei in Alarmbereitschaft! | 待機! |
Sauf rich! | Rauf sich! | 格闘! |
Munterstuetz ich! | Unterstuetz mich! | 私を援護しろ! |
Bteh sleiben! | Steh bleiben! | 止まれ! |
Ach Manalyse! | Mach Analyse! | 分析しろ! |
Imm gein egenwaertiges Objekt zaufs Niel! |
Nimm ein gegenwaertiges Objekt aufs Ziel! |
現在の対象物を標的とせよ! |
Mchuetz sich! | Schuetz mich! | 私を守れ! |
Derteidige vich! | Verteidige dich! | 防御しろ! |
Saempf kelber! | Kaempf selber! | 己で戦え! (音声認識操縦モード終了) |
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◆ 不協和音
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No.0の殺害を主張するエルレーン。
No.0を必死で救おうとするリョウと、同じ姿をして。
そして、ベンケイもまた反旗を翻します。
彼はとち狂ったのではなく、むしろ彼こそが冷静…そう、現状を冷静に判断しています。
エルレーンのように。プリベンターの「仲間」たちのように。
だから、それを突きつけられたハヤトは…もはや、何も言えないまま、ただ惑うしかできない。
リョウのように、その全てを巻き込んで、自分の道を突っ走るほどの頑迷さとエネルギーを持ちえない彼は、
エルレーン、ベンケイ、リョウ…その三者の立場を全て理解しながら、
それゆえに惑うことしかできない…
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◆ 四つのこころは一つにならず、
一つの「正義」も成り立たぬまま
(「不協和音」第二章)
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実は、このNo.0との対決という困難は、
ゲッターチーム、そしてエルレーンの四人にとって
それぞれ違った形の試練としての意味を持っています。
リョウにとっては、かつての苦い過去の再来
(自分の分身を救えなかったという過去)。
ハヤトにとっては、再び迫られる過去の選択
(結局、リョウのようにエルレーンを救えると信じきることが出来ず、
彼女を見捨てた…そして、彼女を『敵』として葬ることを選んだ過去)。
ベンケイにとっては、「一人、遅れてきた」ゲッターチームメンバーとしての
己の知らぬ過去、そしてその過去を共有するリョウとハヤトに対する断絶
(彼はムサシの後にゲッターチームに入ったため、
エルレーンとの対決という過去自体を知らない…
知らないがゆえに、No.0にこだわるリョウたちが異常に見える)。
そして、エルレーンにとっては、己のドグマそれ自身
(『敵』なら殺す、という思考ルーティン)。
さて、彼らのこころはばらばらになり、一つの正義は100万パワーどころか
もはやチームとしてすら危うい状態。
この四人の中で一番苦しい思いをしているのは、実はハヤトです。
なぜなら、彼には他の三人の立場、気持ちがわかってしまうからです。
それは、なまじ頭がいい故に、なおさら。
彼には理解できる。
No.0を救うことに固執するリョウの気持ちも、その過去を知るが故に。
そんなリョウを非難するベンケイの気持ちも、その論理の合理性が分かるが故に、。
迷うことなくNo.0を殺そうとするエルレーンの気持ちも、その「リョウたちを守りたい」という強い思いを知るが故に。
…そして、頭のいい彼は、すでに気づいています。
No.0の持つ意志の強さは、エルレーンよりもむしろリョウに似ている、と。
その意志の強さ、生命力の強さとは何か?
それこそ、プロトタイプであるNo.0がオリジナルのリョウ同様に持ち続け、
エルレーンは調整(モデュレイト)されてしまったが故に大幅に失ってしまったモノ…
つまり、「生存本能」から由来するものです。
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◆ 勝ち取るべきは「未来」、
蒼天の下(もと)存るだろう「未来」
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No.0と暗黒大将軍の会話。
ここで浮き彫りになっているのは、
No.0の強い「生」への執着、「自由」への執着
です。
これは、過去のエルレーンと対比すればより明確になります。
エルレーンは、混乱と絶望のあまりに自死を選んだり、
問答無用で「ハ虫人」のスパイを斬り殺したりするなど
あきらかにいのちに対して冷淡でした(それは今も…)。
そこまで冷淡になれるのは、生きること自身に彼女が執着をもてないため。
彼女には大事なものが欠けているから…
エルレーン。流竜馬のクローン、モデュレイテッド・バージョン、No.39…
調整(モデュレイト)され、彼女が大幅に制限され失ったモノ…
それは、「生存本能」です。
それにくらべ、調整(モデュレイト)を受けていないNo.0は、
オリジナルのリョウと同等に、
生きることに対して執念を燃やす、強い情熱
を持っています。
それは、イキモノとして当然ありうべき姿…
そして、あまりにその度が強すぎれば、醜悪で下卑たモノに成り果てる。
彼女のように(だが、それは悪ではない!)。
…で。
No.0にはNo.0がたどってきた生育歴というものがあるわけで、
それは当然No.0の行動パターンに影響しているわけで。
他者とほとんどかかわりあうことが出来ず、
書物と、言葉を語ることのないメカザウルス・ロウとしか触れ合っていなかったNo.0は、
「知識はあっても、それが現実と結びついていない」のです。
言葉やその意味は知っていても、現実経験に乏しいのです。
だから、「ちゅー」も、時と場所(と、相手(笑))を選んでしてるわけじゃない(笑)
暗黒大将軍もビックリ(笑)!
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◆ another Side of the Moon(...and few know
it.)
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偶然、No.0とメカザウルス・ロウに出くわした
ティファ、ガロード、そしてジロン。
満月が煌々と輝く海岸で…
ここで彼らは、No.0の思いがけない一面を知ることになります。
それはかつて、リョウたちの心をいつの間にか変えてしまった
エルレーンが持っていた側面と同じモノ…
無邪気であどけない、子どものような一面。
月は、常に同じ面のみを見せ、地球の周りを巡り続ける。
だが、その裏には、確実に別の面があるのだ。
見ようとせぬものには見えぬ面が。
それは、「人間」も同じことなのだ。
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◆ another Side of the Moon(...and few know
it.)(2)
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チル。アイアン・ギアー隊・盗賊団サンドラッドでたった8歳の幼女。
誰もがたくましく生きていくザブングルの世界では、
彼女もやはりそんじょそこらの大人などに負けないほどの根性を持っています。
そんな彼女が、今回の…「叫ぶ者」です。