--------------------------------------------------
◆ 三日月〜光浴びて、初めて光り輝くモノ〜
--------------------------------------------------
「…」
扉をノックしようとするその前に、ほんの少しだけジュンはためらった。
…しかし、それもつかの間…彼女は、握りこぶしで軽く二回、その扉を叩く。
すると、果たせるかな、すぐにその部屋の内部から、こもった返事が返ってきた。
「…誰だ?」
「鉄也、私よ」
「ああ、ジュンか…今、開ける」
と、音もなく扉が滑るように開く。
そこには、鉄也が立っていた。
黙ったまま、彼女を迎え入れる鉄也…
彼の後に続くようにして、ジュンは部屋に入った。扉が静かに閉まるその音を、背中で聞きながら。
「…」
「ベッドにでも適当に座ってくれ」
「ええ…」
鉄也に促され、彼女はベッドに腰掛ける。鉄也自身は、机の前に置かれている椅子に座った。
いきなり用件を切り出すのはためらわれた…思わず、ジュンは周りを見回してしまう。
だが、見回してもすぐに飽きてしまうくらいに、その部屋には面白みのあるようなモノが見出せない。
そこは、一言で言うならば…「整然」というような単語がふさわしく思えた。
服はきちんとしまわれている。小物も、使われていないモノなら全て片付けられている。
と、言うよりも、この部屋にはモノ自体の数が少ないのだ。
…必要なモノを、必要なだけ。
逆に言えば、それが実直で無駄を嫌う鉄也らしさとも言えるが…
娯楽のためのアイテムが一切ないというのも、何か物寂しいような気がする。
甲児の部屋とはえらい違いだ、ふとジュンはそう思った。
「相変わらず、隙もないくらいにちゃんとしてるのね」
「当たり前だ。余計な荷物など置いておいたところで、何になるものかよ」
「…」
はっきりと、思ったままを口に出す。それも、昔からだ。
その言葉は時には辛辣、時には冷徹。
それ故に、鉄也の言動によって感情を害されるものも多い…
しかし、彼には悪気はまったくないのだ。
ただ、ただ、現実を怖いぐらいにまっすぐ見詰めている。
それが鉄也の強さなのだ…
…と、そんなことを考えていたところで、痺れを切らしたのか、鉄也の方から問いかけてきた。
「…で、何だ、話ってのは?」
「え、ええ…」
そう言われて、少し驚くジュン。
確かに、「話したいことがあるから部屋に行ってもいいか」と彼に告げたのは、自分のほうだ。
だが、彼女を驚かせたのは、そういうことではなく…彼が話を促してきた、という事だ。
鉄也は、自分からおしゃべりをしたがるような性質(たち)ではないからだ。
だから、今度はこう言ってみた。
「今日は、機嫌がいいのね」
「…そうか?別に、そんな事はないが」
「…」
彼はすげなくそう答えたが、ジュンはその答えでもう確信していた。
鉄也は、今日は異様に機嫌がいい…
昨今の不機嫌さから比べれば、嘘のように顔つきも明るい。
そして、その理由もなんとなく想像がついた。
…ジュンは、思わずため息をついていた。
「?…何だ、そんな事が用じゃないんだろう?さっさと言ってくれ」
「…じゃあ、単刀直入に言うわ」
鉄也を見返す。
そして、極ストレートに…それを、口に出した。
「鉄也。あなた、どうしてあんな事を言ったの?」
「?…何のことだ?」
「…今日のことよ。…どうして、甲児君にあんな事を言ったの?」
「…!」
二回目の問いで、鉄也もジュンの意図を完全に理解した。
両者の間に、無言の空気が流れる。
鉄也は、何も言わない。ジュンも、何も言わない。
彼女は、まっすぐに鉄也の目を見据えている…
「…」
「ふん…で、お説教しに来たって訳か?」
「答えになってないわ。…鉄也、あなたどうしてあんな事言ったのよ。冗談や軽口にしちゃ、いきすぎだわ」
「…」
軽くジョークめいた皮肉で流そうとした鉄也に、ぴしゃりとジュンは言い返した。
鉄也が黙り込む。ジュンは、なおも続けた。
「鉄也…甲児君が、お爺様の形見でもあるマジンガーを大事に思ってるのなんて、もうみんな知ってることじゃない。
それなのに、どうしてあんなにつっかかったりしたの」
鉄也は、少し不愉快げな顔をしてそれを聞いていたが…やがてその頬を不自然に緩め、微笑らしき表情を作って見せた。
「…別に、あの時はちょっといらいらしてただけさ。特別な事なんてない」
「…」
そして、その表情のままで言い放った。
だが、ジュンは悟った―
「…そう、ちょっといらいらしてただけ、なの…甲児君の時だけ、そうなるんじゃないのね?」
「!」
はっきりとジュンがそういってやった途端、鉄也の微笑が凍てついた。
再び、無言の空白。
顔を強張らせたまま、視線をさげる鉄也に、ジュンは…できうる限りの配慮をして、言葉を注意深く選んで話す。
「ねえ、鉄也…私だって、所長に育てられたのよ。…鉄也の気持ち、わからないわけじゃないわ」
「…」
「だけど、鉄也…甲児君は、私たちの『仲間』じゃない。私たちの『トモダチ』じゃない…」
「…」
「それに、甲児君は何も知らないのよ。…そんな彼に向かって当り散らすのは、フェアじゃないわ…」
鉄也は、答えなかった。ジュンは、彼から目をそらさなかった。
三度(みたび)、無言の空白。
「…」
「…」
だが、やがて。
鉄也の唇が、かすかに歪んだ…
「…ジュン…お前、何か勘違いしてるぜ」
「え…?!」
鉄也の口から漏れた、そのセリフ。
その口調が、あまりに柔らかくやさしいモノだった事が、ジュンを驚かせた。
…ジュンの瞳に映る、鉄也。
彼は、微笑んでいた。
「…別に、俺は甲児君に対してどうとも思ってないよ。…確かに甲児君は、あの人の実の『子ども』だ。
だけど、だからと言って、それは俺が甲児君を嫌いになる理由にはならないぜ?」
「…」
俺は甲児君に嫉妬しているわけじゃない、と。
「あの時は、戦場にいるくせに甘ったれたことを言ってる甲児君に、つい腹が立っちまっただけさ」
「…」
俺は甲児君を敵視しているわけじゃない、と。
「そうさ…それだけのことさ…」
だから、お前が心配するような事など何もない、と。
彼の微笑は、どこか薄ら寒い、うすっぺらい微笑は…何かを覆い隠すように、鉄也の顔全体を隙間なく覆っていた。
微笑で、口調で、全身で…彼はジュンに主張しているのだ。
「鉄也…」
しかし、ジュンにはわかった。
それ以上何も言い返すことはしなかったけれど、彼女はそれを察知してしまった。
それが証拠に…ジュンにやさしく語りかけた、鉄也の目…
彼の目は、目の前にいるジュンを、決して正視してはいなかったのだ。

ジュンを自室に帰し、鉄也も部屋を出た。
少し外の空気を吸おうと、艦外に出る事にし…廊下を歩む。
途中、娯楽室の前を通りがかった。
開きっぱなしの扉、その向こうから明るい笑い声がけたたましく響いてくる…
その楽しげな人の輪の中心、そこには一人の青年の姿。
兜甲児。
多くの人が彼を囲んで、口々に彼に言葉をかける。甲児はそれに、当意即妙のセリフを返してみせる。
笑い声がまた、どっと起きる。甲児が笑う。皆が笑う。
甲児を中心にして、明るく軽い空気が広がっている…
まばゆくすら思えた。自然、鉄也はかすかに目を伏せた。
そして、彼らに声をかけることもなく、鉄也は娯楽室の前を通り抜けた。

デッキに出た鉄也。彼の上には、幾千億の星々がまたたいている。
その中には、三日月の姿。
静かな光をたたえ、鉄也を見下ろしている…
「ふう…」
段になったところに座り込み、ゆっくりとため息をつく。
冴えた夜の空気を吸い込むと、何だか身体から疲れが抜けていくように感じた。
本当に、今日一日は長かった…
哨戒に出て、あの不倶戴天の「敵」、ダンテとまさかの遭遇…
奴は言った。ミケーネ帝国は、恐竜帝国と手を組み、今も存続している、と。
そして、あの恐るべき敵将…暗黒大将軍もまた。
全て、自分の思ったとおりだった。
あのプラント群も、奴らの制御下にあるに違いない…
このままうまくいけば、きっとブライト艦長たちも自分の主張が正しかった事を認めるだろう。
そうして、プリベンターはミケーネへの攻撃を開始する…
そうすれば、自分はミケーネ帝国の奴らを今度こそ一網打尽に出来るのだ。
自分の戦う意義、生きてきた意味、それは奴らの粛清に他ならない―
今度こそ、それをやり遂げてみせるのだ。グレートマジンガー、剣鉄也ここにありと知らしめてやる。
そして、自分たちは、俺とジュンは、あの人と…
「てーちゃあくんッ☆」
「?!」
いきなり、場違いな…あくまで明るい声が夜空に響き渡った。
あまりの突然さに、さすがの鉄也もちょっと飛び上がってしまう…
「てちゃあくん」…甘えたような、ちっちゃな女の子のような発音で呼ばれたのは…どうやら、自分の「名前」らしい。
驚きながら振り向くと、そこに立っていたのは…
「?!…な、なんだ…エルレーン君か」
にこにこと微笑んでいる、エルレーンの姿がそこに在った。
うれしそうにこちらに近寄り、自分の隣に腰掛けてきた。
「鉄也君、どしたの?こんなところで」
「た、たいしたことしてるわけじゃない…今日は月が綺麗だから、ぼーっと眺めてるだけさ」
エルレーンの問いに、鉄也はぶっきらぼうに答える。
「へえ…!うふふ、鉄也君も、月が好きなんだ…!」
「ま…まあ、嫌いじゃないぜ」
「私もー、月を見に来たの…」
が、にもかかわらず、相変わらず彼女はおっとりとした口調で話を続けてくる…
うっとりと陶酔した表情で、天空に光る月を見つめている。
すると、やがて彼女は…にわかに真面目な表情を作りながら、こんなことを言ってきた。
「知ってる?鉄也君」
「何をだ?」
「あのねえ、あの月はねえ…こうやってみたら、光ってるように見えるけど…本当は、光ってないんだよぉ」
あまりに真剣に発されたそのセリフの内容に…鉄也は思わず、ふきだしてしまう。
とんでもない秘密を語るかのように話すから何かと思えば、それは当たり前の一般常識だった。
「!…ああ、そうだぜ?太陽の光を反射してるだけなんだよな」
「…なあんだあ、知ってたんだぁ」
が、エルレーンは…当のエルレーンは、あっさりとそう言ってのけた鉄也の反応に、極つまらなそうな顔をした。
せっかく自分が「トモダチ」に教わった秘密を教えてあげようとしたのに、鉄也はとっくの昔にそれを知っていたとは…
「はは…ま、常識って奴だぜ」
「むー…」
さらに鉄也にそういなされ、ぷうっ、と軽くむくれてしまった。
そんな子どもっぽい彼女の様子に、鉄也は軽い微笑を誘われる…
「…でもさあ、キレイだよね…それでも」
「ああ…」
「だけど…なんだか、…さみしいね?」
「?…『さみしい』?」
「だって、そうじゃない?月は、あんなにきらきら光ってるけど…太陽がなかったら、何にもならないんだよ。真っ黒で、全然きらきら光らない」
「…」
エルレーンの言う意味がよく理解できず、眉をひそめる鉄也。
そんな彼から視線を一旦はずし、遠い夜闇に転じ…彼女は、小さな声でつぶやいた。
「なんか…まるで、」
吐息と混じって、暗闇の中にそれは溶けていった―
「私、みたいだ…」
「…?!」
思いもしない言葉に、鉄也は思わず彼女を見返す。
すると、エルレーンは…いつもどおりの愛らしさと、隠し切れない哀しみで…その整った顔を染めていた。
「え…エルレーン君…?!」
「ふふ…だって、そうでしょ?私、おかしいもん…」
「な、何が…」
問い返した鉄也に、彼女は軽く微笑い…どこかおどけたような口調で、明るさを装った声色で、こう告げたのだ。
「だって、私…リョウの、クローンだもの」
「…!」
「…『人間』は、みんな…『おとうさん』と、『おかあさん』が造るんだよね。
『おとうさん』と『おかあさん』、男の人と、女の人。二種類の製造者がいないと造れないの」
「…」
「『ハ虫人』もそうだった。イキモノは、きっとみんなそうやって生まれてくるんだ…
『おかあさん』に守られて、そんで…生まれてくる」
「…」
「だけど、私は…そうじゃない…」
月を見上げるエルレーン。
その透明な瞳に、隠しきれない寂しさが澱んだ…
「もし、リョウがこの世にいなかったら。私、造られてもいなかったんだ…リョウがいなかったら、私もいない。
…私、『人間』のくせに…そんな、おかしい子なんだ…」
その瞬間、驚くほどの哀切な表情が、エルレーンの中に生まれた。
…普段、リョウたちやプリベンターの「仲間」に囲まれ、楽しそうに、うれしそうに笑っているエルレーン…
そんな彼女からはとても想像も出来ないほど、寂しげな、自嘲の笑みだった。
オリジナルであるリョウがいなければ、自分は存在する事もなかったのだ、と。
己のルーツもなく、あるのはただ…「兵器」としての存在理由(レゾンデートル)だけ。
まるで、自らは光らぬ、輝く事の出来ない月のようだ、と…
自分を卑下する、その生まれが彼女自身を根底から卑下する。
鉄也の胸に、その哀しい告白がしみわたる。
ぐっ、と、何かが、鉄也の心臓をつかんだような気がした―
「私も、あの月と同じ…リョウがいなきゃ、きらきら光る事もできない…」
「…いいや、それは違うさ!」
「!…鉄也君…」
それは、驚くほどに大きな声で発された。
月を見上げ、切ない独白を続けていたエルレーンの意識が、そのセリフで無理やり引き戻される…
鉄也のほうに顔を向けると、彼は…三日月を見上げていた。
その青白い月光のせいでわかりにくいが、確かに彼の頬は多少赤く染まっている。
照れくさいのか、多少ぶっきらぼうな調子で彼は続ける…
「あ、あんたは…す、少なくとも、みんなに好かれてるじゃないか!だってほらそうだろう…
あ、アーガマの皆も、何だかんだ言ってあんたに何かやったりかまったりしてるじゃないか!」
「…」
「そ、それに!…た、多少鼻っ柱は高いけど、十分強い!それこそ、そんじょそこらの奴らじゃあ全然かなわないくらいにさ!」
「…」
「別に、それは…あんたがリョウ君のクローンだからじゃないだろう?」
「鉄也君…」
自分でも不思議に思えるくらい、その口調には熱がこもっていた。
必死になって、熱弁をふるう鉄也…
リョウという太陽の影で生まれたエルレーン。
だが、そのエルレーンもまた、誰からも愛される、美しい光を放つ月である、と…
当のエルレーンは、きょとん、とした顔で、鉄也の言葉を聞いている。
鉄也が何故突然そんな事を言ってくるのか、よくわからないようだ。
だが、鉄也は軽くどもりながらも、なおも言うのだ。
太陽の光がなければ輝く事すら出来ず、誰にも省みられる事もない月―だが、それでも確かに在る、その美しさを。
「いいじゃないか、太陽だろうが月だろうが…今、君はここにいる。それだけで十分だろう?」
「…」
「そうさ、それに、月にだって…」
鉄也の視線は、上空に向けられている。
夜空を照らす青白い光…太陽のような激しさも熱さも感じられない、だがそれ故の美しさを持つあの天体を見上げる。
「…太陽には絶対にない、あんなに透明で冷たい綺麗さがあるんだから…!」
「…!」
そう言って、鉄也は…やはり、少し頬を赤くしたまま、月を見上げたままで、黙り込んだ。
…破顔一笑。
エルレーンの表情に、輝くような笑顔が戻った―
「う、うわッ?!」
「…てちゃあくん、ありがと…☆」
「わ、わかった!わかった!だ、だから、放し…」
ぎゅうっ、と鉄也の左腕に抱きつき、喜びを全身で表すエルレーン。
だが、いきなり抱きつかれて混乱する鉄也、彼がエルレーンを振りほどく前に…彼女は、もっと具体的で過激な方法で、喜びを示してみせた。
…慌てる鉄也が彼女から逃れるより先に、彼女の花のような唇が、そっと鉄也の左頬に降ってきた。
柔らかな感触。かすかな甘い香り。
鉄也の思考が、一瞬…完全に、停止した。
「?!…え、う、おあああ?!」
「?…ど、どしたの、鉄也君…い、嫌だった…?!」
奇妙な悲鳴をあげてあとずさる鉄也に、きょとんとするエルレーン。
だが、いきなり頬にキスされて動転した鉄也の口からは、まともな言語音がなかなか出てこない。
「い、いや、あ、ええ、そ、その…」
「くすん…や、やっぱり、私なんかじゃ…だめぇ?」
そうこうしているうちに、鉄也の反応を見たエルレーン…鉄也が自分を嫌がっている、と思ったのか、哀しそうな顔になってしまった。
慌てて鉄也はそれを否定しようとする…
「ち、違う!…け、けど…そ、そんなこと、き、気軽にするもんじゃないだろ?!
…そ、そういうことは、ほ、本当に好きな男にだけやってやるべきで…」
「?…私、鉄也君のこと、今は…もう、好きだよ?嫌いじゃないのぉ」
が、エルレーンは…かわいらしい微笑みを浮かべたまま、そんな事を言いつつ、また身体を鉄也にすりよせてくる。
その魅惑的な「攻撃」を何とか必死に防御しつつ、鉄也はなおも彼女を諭し続けるが…
「た、多分、君の言っている意味と、俺の言っている意味とは違うから!」
「??…じゃあ、どう違うのー?」
「え、えっと…も、もういいだろ?!」
結局は彼女を納得させる事は出来ないと判断し、ともかく話をそこで終わらせてしまった。
泡を喰いながらも立ち上がり、彼女に背を向ける。
「えーッ?!待ってよお、ねえ、何が違うのー?何処が違うのー?!」
「ああもうッ、いいからいいから!」
「鉄也君ってばー!」
背中から追いかけてくる不満げなエルレーンの声を無視して、鉄也は赤い顔をしたまま、さっさかとその場を逃げ出そうとする。
ふと、その視線が再び天空へと上向いた。
天には、三日月。これから満ちていく月―
そのまばゆいでもない、むしろ闇にしみこんでいくような光を浴びながら、鉄也は何故か、今自分が発したばかりのセリフを、心の中で反芻していた…



「月にだって、太陽には絶対にない、あんなに透明で冷たい綺麗さがある」



それはまるで、エルレーンに向けてではなく…自分に向かって言い聞かせていたかのように思えたからだ。


back