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◆ Her Monologue〜Nobody hears, Nobody knows〜
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ああ。
まただ。
また、私は―

リョウは、私を守ろうとしている。
いっしょうけんめい、守ろうとしている。
ハヤト君も、ベンケイ君も。
あのキャプテン・ラグナから、私を守ろうとしている。
だから、私を閉じこめる。
守ろうとして、閉じこめる。
だけど、ああ―
私は、あの人と、私が、あの人と、
私こそが、あの人と戦わなきゃならないのに。

あの人は、私を絶対に許してはくれない。
あの時、助けてはくれたけれど。
あの時、私を助けてはくれたけれど―
あの人は、私を憎んでいる。
ルーガを殺した、ルーガを奪った、ルーガを取ってしまった私を。
今なら、わかる。
あの人も―ルーガが、大好きだったんだ。
それは、きっとあの恐竜帝国にいる、たくさんの人たちと同じように。
私は、結局、その人たちから…ルーガを、取った。

悪いのは、私じゃないの?

「人間」も、「ハ虫人」も、ばかじゃない。
ばかじゃ、ないのに。
ばかじゃないのに、戦うことをやめられない
お互い、どっちもが怖くって、どうしようもなくって、
そうして、やっぱり、殺しあう。

どうして、「人間」と「ハ虫人」は殺しあわなきゃいけないの―?

だから、私は、戦わなきゃいけない。
あの人とも、恐竜帝国とも、戦わなきゃいけない。
私、戦うために造られたはず。
なら、戦えるはず。


…戦えるはず、なのに。


どうして、
こんなに、
くるしいの?


私は「仲間」を守らなくちゃいけなくて、
私は「敵」をころさなくちゃいけなくて、

でも、ほんとうは、
「ハ虫人」も「人間」も、どっちが「敵」とか「仲間」とかじゃなくって、
ケンカしないで、なかよくしてられればいいのに。
そんなことも、できない―


かんがえちゃいけないことだけど、
こんなことかんがえたら、きっとリョウにおこられるけれど、
でも、かんがえてしまう。


もし、私が造られなかったら、ルーガは死ななかったのかな―?


私は、私は、どうすればいいの…?
ねえ、ルーガ、教えてよ
私に教えて
私は、どうすればよかったの?
私は、どうすればいいの?
私は、どうしたら―






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