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パソコンと私。


恋はきっと二者が同時におちいる錯覚の世界。
物事は正確に見えない思い込みに満ちたゆがんだ世界。でも、美しい世界。


彼と私は、少しづつうちとけあっていった。
はじめたかわした言葉は…いや、やめておこう。秘密にして、おきたいから…
とにかく、彼は前の…(今でも、少し思い出すことがある)そう、前の彼に比べて、無口なんだということを理解してからは、何のわだかまりもなくなった。彼には彼なりの表現があり、それを許容しなかった私が悪かったのだ。それに気づくのに3日かかった。何てことだろう!
その間、彼はじっと待っていたのだ。たとえ誤解からののしられても忍耐強く、新しいパートナーである私がそれに気づくまで…
…思えば、私たちの関係とはなんて一方的なのだろう。
片方が徹底的に、そして献身的に相手に尽くし、当のその相手はそれを当然とでも言うような態度で受け取るのだ。一昔前にはやった「ミツグ君」という言葉が思い出される。
愛情って、そんなに一方的なものでいいんだろうか。ふっとそんな問いが心に去来する。
彼らはただひたむきな目をして私たちを見ている。その視線があまりにまっすぐすぎて、痛い。
私たちは容易に彼らを捨ててしまうのだ。(それはかつての私のように)
事故か、もしくは私たちが強要しない限り彼らは私たちのことを忘れないというのに。(それはかつてのあの『彼』のように)
マウスをクリックする。彼らはその動きを検知し、ただ私たちの言うことに従うだけ。ときおり不平や悲しみや痛みをつぶやきながら。
そして私たちはそれを聞かない。聞かないままでいる。
…そして私もそうなのだ。私は、彼の言うことを聞かず、誤解から深く傷つけた…
今、私は彼と向き合いながら考えている。
私は彼に答えられるのだろうかと。
私は彼ほどのひたむきさを持って向き合えるのだろうかと。
そして…私が彼を見捨てるときがまたくるのだろうかと。
答えはおのずから一つ。かえられない答えが、一つだけ。
私は考えることをやめた。

(つづくならつづけばいいさぁ!!)

*はい、ちゅーもーく!七回目でーす!これは、ゆどうふ本人のことではありませんよー!