ドイツ語アルファベットで30のお題
〜マジンガー三悪編〜


"Ü"--der Übergang(向こう側に渡る→「一線を越える」)





「…ラーウラッ☆」
「…〜〜ッッ!!」




ごきゃん!




「い…っ痛ぅ…な、何するんだ、ラウラ?!」
「あああああああ、アンタのほうこそ『何するんだ』だよッ!い、いきなり何すんのよ、この変態ッ!!」
「…大げさだな、このくらいで…」
「何がこのくらいなのよッ?!」
「いいじゃないか、少しぐらい」
「あ、アンタねえ…!ち、ちょっと、調子に乗りすぎッ!」
「…俺が?」
「そうよッ!…ふ、ふん、そりゃあ…き、昨日は、ッ、…あ、あんなことに、なっちゃったけどッ、その…だからといって、いきなりそんな、なれなれし…」
「…ラウラ」
「?!…ちょ、ちょっとぉ、ミヒャエルッ!人の話聞いてんの?!」
「いや…だから、…もっと近くで聞かせて、お前の話?」
「う、うあッ?!」
「ふふ…そんな大きな声を出したら、誰か来ちまうよ?」
「う、うわあっ!ど、ど、何処触ってんのよ!変態、変態、ド変態ッ!」
「長年の幼馴染を『変態』扱いか…ひどいなぁ」
「こんなことしといて、何言ってんのよ…しかも、こんな真昼間から!」
「!へえ…じゃ、夜ならいいんだ…?」
「そ、そうね、夜なら…って、ちょ…そ、そういうわけじゃないぃ!」
「俺はどっちでもいいぜ、夜でも昼でも?ラウラ、お前が望むなら…」
「きゃ、あ、あ…ッ、…み、ミヒャエル、…ッ!」
「ラウラ…」
「…〜〜ッッ!!…い、いい加減にィッ…!」




「しろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!」




ばしっ!ごきゃん!ごきっ!




「…」
「…はぁ、はぁ、はぁ…」
「…わかった、ラウラ…調子に乗った、俺が悪かった」
「…」
「仕方ない…昼のうちは、一線超えない。『約束』する」
「…」
「…だけど…これぐらいは、許容範囲にしておいてくれよな」
「!」








「…」
「…ふふ」
「…」
「?…ラウラ?」
「…あ、…アンタの…」
「…?」








「…アンタのキスって、やらしーから…お、おんなじようなもんだと思う」









マジンガー三悪ショートストーリーズ・"Zwei silberne Ringe, ewige Liebesbande"より。
この夜の後のお話。ミヒャエル、猛りすぎ。