ドッキドキ!ドクター・ヘルの羅武理偉(ラブリィ)三国志珍道中☆ (1)






歴史とは、無数の人間が織り成す一つの道。
無数の可能性、無数の選択肢、そして無数の「物語」が造り出したそれは、
まさしくその中に織り込まれた人間たちの連綿と続く活劇。
だがしかし、華々しく語られる者はただ一握り。
「英雄」と呼ばれる彼らの影には、数え切れぬ無名の者たちの「物語」がある。

これは、とある戦記。
彼の選んだ、彼の歩んだ「物語」。
歴史がやがて忘れ去ろうとも。
後世の者が語り継ぐことなくとも。
それでも、あの場所、あの世界において、
確かに存在した―
これは、彼の「物語」―




「うむ、確かに!」

「そうだな、この世は無数の人間が生まれそして消えていく、まさしく儚い舞台よの」

「…だが、この俺を他の有象無象どもと一緒にしてもらっては困る!」

「そう、俺は―」




「真の美をやがて極める者、ドクター・ヘルなのだからッ!」






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