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◆ 百花繚乱・美姫三人集!(4)
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「あんたの造ったアレ、ほんっと役に立たないな!」
「…いきなり人の研究室に乗り込んできて、何を言っとるのかのーあんたは」
「あいつらだよ!あの…私のクローン二人組!」
自分の研究所に入ってくるなり、文句を付け出した流中尉。
彼女のほうに振り向きながら、敷島博士は…呆れたように、ため息をついた。
あの屈辱的な戦いから、二週間。
あれからというものの、ゲッターチームはゲットマシン実機による訓練を何度も繰り返していた。
が…その結果といえば、はっきり言えば…全て、失敗。
合体変形ロボット・ゲッターネチェレトは、合体しなければその高い戦闘力を発揮できない。
にもかかわらず、彼女たちは未だに合体に成功していないのだ。
時には、エルレーンが命令に反して。
時には、エルシオンが命令に反して。
とにかく、二人のクローン少女は…リョウコの命令に素直に従わないのだ。
そのせいでタイミングはずれてしまい…結果として、うまく合体できないでいた。
ゲットマシン形態のままでは、どのみち「オーガ」には対抗できない…
ゲットマシンが合体できずにはじきとばされたり、一機だけおいつけないでいるような今の状況では、次の実戦で危うい…
そのため、リョウコは焦っていた。
その焦りはいらつきを生み、さらに彼女を追い詰め、余裕を奪っていく…
彼女の精神の不安定さは、そのままエルレーンたちにも影響を及ぼす。
そのため、合体はなおさらうまくいかない…そういう、悪循環に陥っていたのだ。
その悪循環は、自然…彼女にエルレーンたちを責めさせる。
そうして、今も…リョウコは、敷島博士相手に自らのいらだちを叩きつけている、というわけだ。
だが…敷島博士は知っている。
合体がうまくいかないのは、自らが造った彼女たちに欠陥があるからだというわけではない、ということを。
「何を言うとる。あの子らは、あんたの先天的能力・才能はもちろんのこと…
情報のインプットによって、あんたに勝るとも劣らんほどの知識を身につけておる。無論、操縦技術もな」
「ふん…だけど、今までの訓練でも、一回も合体できてないままじゃないか…あいつらのせいで!」
「…」
だが、リョウコの反応は否定の一辺倒。
合体できないのは、彼女たちのせいだと決め付けている。
そう語る彼女の表情は、まるで仇のことをしゃべっているかのように、いらだちの色を浮かべている…
…敷島博士は、またひとつため息をついた。
「まったく…あんなわけのわからないお荷物なんか背負わされて、うっとうしいったらありゃしない…」
「…おリョウちゃんや、あんたは…」
「何?」
嘆息のごとくに、吐き出されたセリフ。
そのセリフに、思わずリョウコは愚痴を止める。
が…敷島博士がいつにもなくさびしげな顔をしていることに気づき、リョウコは少し驚いた。
そのガラにもない、さびしげな表情で…博士は、静かに問いかけてきた。
「あんたは、あの二人が…そんなに、気に喰わないのかの?」




…何も、言えなかった。
そうじゃない、とも、
そうだ、とも、
何も、言えなかった。




あの二人をどう思っているのか…だんだん、自分でもわからなくなってきてしまっていたからだ。




「よお、リョウコちゃん!浮かねぇ顔して、どうしたい!」
「!…ベンケイ、か」
ゲットマシン格納庫。
気が乗らず、くさくさしていたリョウコ…自分のゲットマシンの調子でも聞こうかとやってきた。
そんな彼女の姿を見て、メカニック長のベンケイが気安く声をかけてきた。
ちょうど各ゲットマシンの調整を終えたところらしく、ゲッターバステト号から飛び降り、足早にこちらのほうにやってきた。
「どうだい?ゲッターネチェレトの調子は」
「ああ、機体のほうはまったく問題ない。…でも…」
「聞いてるよ、それは…はは、なかなか難しいな!」
「あ、あいつらが足引っ張るからだ!」
かあっ、と頭に血がのぼり、反射的にそんなセリフがリョウコの口をついて出た。
合体変形が最大の特徴であり、アドバンテージである…という、このゲッターネチェレト。
にもかかわらず、機体上の問題は何らないにもかかわらず、パイロットたちの意思疎通のまずさのせいで合体が出来ていない…
その不名誉な事実は、すっかり基地中に知れ渡ってしまっていた。
流中尉がこんなふうに防衛的になってしまったとしても、仕方のないことだろう。
リョウコのテンションはどんどんあがる。
合体できないのは、あの二人が自分の命令に従わないせいだ…と、批判のボルテージもますます高くなる。
「あいつら、勝手なことばかりやって!私の言うこと聞かないくせに、『オーガ』と戦えるはずがない…ッ!」
「お、おいおい、リョウコちゃん…」
「まったく…これというのも、あのアホの神大佐のせいだ!切れ者だか何だか知らないが、わけのわからないことを考え出しやがって…!」
「り、リョウコちゃん、声!声大きい!」
思いっきりでかい声で、あからさまな上司批判をはじめたリョウコを、慌てて止めるベンケイ。
何とか話を変えるべく、彼は再び話題を二人のクローン娘のことに戻そうとした。
「でも、あの子達、俺は…どっちもリョウコちゃんによく似てると思うけどなぁ」
「ははっ、そりゃ私のDNAからできてるってんだから、おんなじツラには違いないんだけど!」
リョウコの表情が、嘲笑といえそうな微妙なモノに変わる。
「でも、あんな私の言うこと聞かないなんて…ふん、やたらと同じ顔な分だけ、逆に腹立つよ!」
「ああ、…そっかあ…」
鼻息も荒く、自らの分身を切って捨てるリョウコ…
彼女の言に、適当にうなずいてあわせながら…だが、ベンケイは、少しばかり困ったような顔をしていた。
その時だった。
思わずベンケイが口にした言葉が…リョウコに、転機を与えた。
「まあ、でも…そんなモンじゃない?」
ベンケイが、ふっともらしたその感想。
その言葉が、リョウコを驚かせた。
「え…?!」
「まあ、そんなモンなんじゃないの?…チーム、ってのはさ」
「…」
戸惑い、ベンケイのほうを省みるリョウコ…
そんな彼女を不思議そうに見ながら、ぼりぼりと頭をかきながら…ベンケイは、先を続ける。
「お互い、気持ちがうまいこと伝わらないこともあるってこと」
「…」
「あの子達は、顔はおリョウちゃんと同じかもしんないよ。
…けど、別の『人間』なワケだし、そりゃあうまくいかないことやずれることだってあるさ」
「…あ」
意図せず、吐息のような声がもれた。
虚を突かれたからだ。
その、ベンケイが言う当たり前のこと…そんな当たり前のことを、今の今まで失念しっぱなしでいた。
そんな自分に、驚いていた。
そうだ…自分は、今まで一体、彼女たちを何だと思っていたのだろう。
自分の好きなように動かせる、ただの「駒」…
それは、自分と同じ姿をしているから?
馬鹿げている。ナンセンスだ。
理性は一旦働けば、それなりの正しい解答を自動的に導き出す。
私と同じ顔をしていても、あいつらは私じゃない。
エルレーンは私じゃないし、エルシオンは私じゃない。
そして、エルレーンはエルシオンじゃない…
三人が、三人とも。まったく違う「人間」なのだ―
だったら、いさかいや不調和なんて、あって当然じゃないか?
「それにさあ」
ベンケイは、苦笑しながら…最後に、リョウコにこんなことを言った。
「おリョウちゃんは必死に言うことを聞かせようとするけど…
あの子達の言うことだって、聞いてやったっていいんじゃないの?」
「…!」
と、その時。
格納庫中、いや基地中に…強烈なサイレン音が響き渡った。
「…!」
「ほら、おいでなすった…!」
スピーカーから裁断なく流れ続ける警報は、紛れもなく奴らの襲来を示す。
リョウコははじかれたように、自分のゲットマシンに駆け出した。
彼女の背中に、ベンケイの激励が飛んでくる。
「がんばれよ、おリョウちゃん!」
「ああ…!…ありがとう、ベンケイ!」
「…どういたしまして!」
軽く彼のほうを振り返り、大切なことに気づかせてくれた礼を短い言葉で述べ…再び駆ける。
にっ、と笑んだベンケイが、大声で怒鳴り返した声が、格納庫に反響して散っていった。
ゲットマシンのそばまで来ると、そこにはすでにエルレーンとエルシオンがバトルスーツ姿で待機していた。
何事かしゃべりあっていた二人であったが…駆け寄ってきたリョウコの姿を見るなり、その表情が気まずそうにひきつった。
「…あ」
「リョウコ…」
「…」
自分を見る二人の瞳には、確かにあるかすかな怯え。
…あれほど派手に当り散らしてきたんだ、当然だ。
そう思うと、胸がちくりと痛んだ―
が、その気まずい空気を振り払うように、リョウコは明るい口調で二人を促す。
「…さあ、行くぞ、お前たち!本番だッ!」
「う…うん!」
「…!」
二人が、びくっ、と震えたのがわかった。
だが、少なくとも闘う意思は潰えてはいないらしい―
すぐさま、その表情が真剣なものに変わる。
「いいか!速攻で決めるぞ!…出撃したら、すぐにゲッターイシスに合体だ!」
「え…?!」
「で、でもよ!」
「…大丈夫だ!」
力強い口調で。はっきりと、そうリョウコは言った。
「!」
「…?!」
「来い!何でもいいから、来い!」
そして、にやっ、と笑みを浮かべてみせる。
エルレーンに、エルシオンに、自分の「仲間」たちに、笑いかける…!
「お前らくらい、受け止めてやるさ!…だから、大丈夫だ!」
「…!」
「…ああッ!」
二人も、感じた。
リョウコの感情を、リョウコの思いを感じた。
少女たちは、しっかりとうなずく。
三つの視線が、交錯する…
その一瞬に、彼女たちは感じた。
自分たちの間にある、かすかでありながら強い、細いが堅いつながりを―!
三人のパイロットが、それぞれ自分のゲットマシンに乗り込んでいく…
リョウコは、ゲッターイシスに。
エルレーンは、ゲッターセクメトに。
エルシオンは、ゲッターバステトに…!
「それじゃあ、行くぞ!…ゲッターイシス、発進ッ!」
「ゲッターセクメト、発進!」
「行くぜ、ゲッターバステトォッ!」
ゲットマシンのエンジンが唸りをあげ、灼熱の炎を噴出す。
途端、その爆発的な推進力によって、ゲットマシンは格納庫のカタパルトをかっとんでいく―!
空中に飛び出すなり、眼前で蠢く気色の悪い肉隗…「オーガ」の姿が見えた。
その濁った薄気味の悪い瞳が、かすかに細められた―ように、リョウコの瞳には映った。
侮りの光を帯びていた―ように見えた。
…だが、今日こそは目に物見せてやる!
リョウコは、ゲッターセクメト、ゲッターバステトのエルレーン・エルシオンに向かって呼びかけた!
「さあ、やるぞ…エルレーン、エルシオンッ!」
「うんッ!」
「ああッ!」
気迫のこもった返事が、すぐさまに返ってくる。
リョウコは、笑んだ。
そして、合体手順を踏む…
その最後に、力を込めてそのスイッチを押した!
「…チェーンジ・ゲッターイシス!スイッチ・オォォンッ!!」




ああ、そうだ

こいつらは、私じゃない
私と同じモノから出来ていたとしても―

そう、だけど、だから―

だからこそ、私たちは誰よりも強くなれる!!





ゲッターイシスの加速を少しゆるめる。エルレーンが容易についてこられるように。
衝撃。ゲッターイシス号を貫くように、ゲッターセクメト号が合体した。
そのまま、少し機種を上向け…今度は、多少加速する。エルシオンが突っ込んできても受け止められるように。
衝撃。跳ね返されることなく、ゲッターバステト号は合体した二機のゲットマシンに連なった―
そして…合体した三機のゲットマシンは、見る見るうちにその姿を変えていく。
それはもはや、三機の戦闘機ではない…
腕が伸び、脚が伸び、翼が生え、角が生え、そして―その貌に、金色の瞳がきらめく。
大地に降り立つ鋼鉄の巨体。派手な土煙が舞い上がる。
その土煙の中、バケモノに立ち向かいてそびえるモノ…
それは、女神だった。
銀色の光をはじく剣を手にした、断罪の女神―!
風が唸るような音が、「オーガ」の喉からもれた。
おそらく、それは恐怖のうめき声。
己を殺す、己を裁く強大なる神の降臨に怯えているのだ…!
だが、女神は非情。怪物にいっぺんの同情すら寄せることはない。
ゲッターネチェレト・空戦用モード…ゲッターイシスは、その大剣を気色の悪い肉隗目がけて、思い切り振り下ろした―

ゲットマシン形態から変化し、合体したゲッターネチェレトにとって、「オーガ」はもはや敵ではなった。
ゲッターイシスの剣は、その肉をそれこそ粉々になるまで砕き割った。
その肉隗をさらに、陸戦用モード・ゲッターセクメトのドリルハリケーンが吹き飛ばす。
かろうじて残った「オーガ」の顔は、海戦用モード・ゲッターバステトが粉砕した―
完全なる、勝利だった。
それは、人類がこの怖気のふるう怪物どもと相対してから、初めて得ることが出来た…完全無欠の勝利。
その勝利をもたらした戦乙女(ヴァルキリー)たちは、戦いを終え、格納庫に戻ってきた。
ゲッターイシス。ゲッターセクメト。ゲッターバステト。
ゲットマシン形態に戻った三機が、それぞれの低位置に格納される―
と、コックピットから、パイロットたちが姿をあらわした。
ゲッターセクメトからは、エルレーン。ゲッターバステトからは、エルシオン。
彼女たちの元に、ゲッターイシスから降り立った流中尉がつかつかと歩み寄ってきた…
「…り、リョウコ…」
「…」
二人の表情が、かすかに強張る。
また何か、リョウコに面罵されるのではないかと、怯えて…
…だが。
彼女たちの前で立ち止まった、リョウコの唇から放たれたのは…思わぬ言葉だった。
彼女は、まっすぐに二人の顔を見つめ、こう言った。
「…よくやった」
エルレーンの瞳が、驚きで見開かれる。
きょとん、とした表情になるエルシオン。
そんな二人に、リョウコはもう一度言った―
「よくやった…!」
「…?!」
「リョウコ…?!」
「ちゃんと、できるじゃないか…それで、いいんだ」
「…!…あ、ありがと…ありがとー、リョウコ!」
「ふ、ふん…お、俺たちだって、ちゃんとできるってこと…こ、これでわかっただろ?」
「…」
かけられたねぎらいの言葉、ほめ言葉に、頬を紅潮させて喜ぶエルレーン。
エルシオンも、口では憎まれ口を叩いてみせるものの…その顔には、照れ笑い。
自分たちの力を認められ、無邪気にうれしがる二人。
リョウコの瞳に映る、そんな二人の姿…
その姿が、リョウコの胸の中で、はじけた。
「!」
「き、きゃ…」
「…」
小さな悲鳴が上がったが、無視した。
二人を抱きしめる両腕に、さらに力を込める。
無性に、いとおしかった。
腕の中にあるあたたかさが、心地よかった―
「な、なぁに?どぉしたの、リョウコ…?」
「ど、どうしたんだ、リョウコ?」
「…いや…」
突然の抱擁に驚く、二人のクローン少女。
リョウコは…困惑する二人に、やさしく微笑んだ。
自分と同じモノでありながら…その実、まったく違う二人に。
だからこそ、自分たちは強くなれるのだ。
そのことが、ようやく理解できたから―!




「…だからって、何で!」
リョウコの困惑いっぱいの声が、部屋中に響き渡った。
「何で、お前ら…平気なカオして私の部屋に荷物運び込んでるんだ?!」
「…でかい声だすな。うるさい」
「な…?!」
「だってねー、神たいさがね?これからはリョウコといっしょにすみなさいー、って。
そのほうが、ずっとなかよくできるだろうって」
「…あのダメ上司が…」
頭を抱えるリョウコにも構わず、エルレーンとエルシオンは、次々に荷物を彼女の部屋に運び入れていく。
人一人には十分過ぎるほどの広さを誇っていた部屋は、あっという間に手狭になってしまった。
興味深げに部屋中をきょろきょろ見回している二人…そんな二人が、じっとしていてくれるはずもなく。
「はうー!見て見てエルシオン!すごいモノ見つけちゃったのぉ」
「?!…あ、ああー!」
何処かより持ってきたのか、いつの間にか…
エルレーンの手の内には、リョウコの大切な宝物が握られていた。
それは、彼女のスタイルを保つ、何よりも大切で高級な…
「何だ?…ぶらじゃー、か?」
「中に、いっぱいふわふわしたモノついてるのー」
「随分な上げ底だな。そうか、それで…」
「ななな、納得したような目で見るなー!」
エルシオンの視線が、「寄せて上げる」ブラジャーからリョウコの胸へと順次に移行し…そして、彼女は生ぬるい微笑を浮かべる。
思わず胸をかばうように覆い、怒鳴り返すリョウコ(だが、動転で声が裏返ってしまっている)。
「ね、ね、リョウコ!私もこれ欲しい!これ欲しい!『ぼいんちゃん』になるのおおぉ!」
「あーもーダメッ!絶対ダメッ!」
「…やなのっ!もうこれ、もらっちゃったんだからあ!」
リョウコの宝物を胸に抱くようにし、勝手に自分のものにしてしまったエルレーン。
怒って取り返そうとするリョウコの手からするりと逃れ、べーっ、と舌を出して見せる。
「やめろそれ一番高いんだ!返せエルレーンッ!」
「…いいな、エルレーンばっかり。俺も欲しいぞ、それ」
「あさるなエルシオン!ダメだったら!」
エルレーンばかりに気をとられている場合ではない、振り向けばそこには衣装ケースを勝手に開けて中を物色するエルシオンの姿。
慌ててえり首をつかんで引き離そうとするが、これまた器用に逃げられる。
「あったー、エルシオンー?」
「見つからない!変なのは、たくさんあったけど…こんなのとか」
「うひゃあ、ちっちゃぁいおぱんつなの。ひもみたいなの」
「うわー!うわーーーーーーーー!!」
そう言いながらエルシオンが振って示している右手には、何やら赤い布きれ。
ひらひらと部屋を逃げ惑うエルシオンの右手には、いつの間にかリョウコのTバックパンティが握られていた。
…そして、部屋の扉さえ貫くようなリョウコの絶叫。
動揺のあまり、それこそ顔中をゆでだこのように真っ赤にして追ってくるリョウコ。
そんな彼女から、きゃあきゃあ笑いながら逃げ惑うエルレーンとエルシオン…
その光景は、端から見れば…まるで、じゃれあって遊んでいる姉妹のようだった。




オリジナルと、クローンと。
ヒトより生まれ落ちたモノと、ヒトによって造られたモノと。
自然物と、人工物と。
まったく同じDNAより生じた、しかしまったく違うモノ…




そんな奇妙な三人。
彼らがともに往く道は、今始まったばかりだ。