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はなぢと私。〜不動高校七不思議殺人事件リプライズ〜
赤い血が飛び散る。鈍く響くうめき声。
それは殺人事件の始まりなのかッッ?!
ある秋の夜長、私はパソコンに向かい愚にもつかぬ事をうちこんでは悦にいっていた。
それは秋にしては少々寒い日だったので、寒気を覚えた私は季節的には少々早い暖房をつけた。
今にして思えば、それがいけなかったのであろう。
小さいボディながらハイパワーの彼は瞬時に命令を実行に移し、生ぬるい風を室内に送り込み始めた。
そして十数分したころだろうか。
「ちょっとあついなぁ」やはりまだエアコンには早かったのだろう、私はもはや汗ばんでさえいた。
エアコンの室内温度表示はなんと26度にまでなっていた。
『ふぅ』とため息をつきリモコンを手にとった瞬間、それは来た。
ノーズブリード、またの名を真紅の絶えざる泉、はなぢである!
「?!」
前触れもなしにやってきた奴の登場に私はすっかり慌ててしまい、ティッシュをとることも忘れ
きょときょとと上向き加減になって中空に視線をさまよわせた。
『あ、そうだティッシュ…』やっと理性が働きそのほうへ目をむけた…
その時である。
私の横隔膜は何らかの電気刺激を受けたがごとくけいれんし、胎動した。
「ひ、ぴくちっっっ!!」あの電気ねずみの鳴き声ではない。くしゃみである。
目の前にフラッシュバックするあの記憶。再び私は紅い霧を見た…
紅い霧は私より出で、風となり、そして私のパソコンを包み込んだ。
「あ、あ、あ、ヴァイオ君ッッ?!」ディスプレイに、コンセントに、タッチパッドに、そしてキーボードのそこここに。
降り注ぐベルリンの赤い雨!のちこいみにくらみいきちのちのなとちすいかいにすな!!(注1)
私はこんな場面を前に見たことがある。そう、「金田一少年の事件簿」。
不動高校ミス研で、うっかり暗号を解いてしまったために殺されてしまった尾の上君の姿。
血に染まるパソコンはまさにその惨劇を示すがごとくであった。
そのあとキーの間についた血(注2)をとるのに苦労しましたT−T
(注1)つまり「かべにほねがかくされている」んですね。
(注2)金田一君もこれを見て尾の上くんが謎を解いている最中に殺されたことを知りました。