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「ゲッターロボと私。」


第五十一話 恐竜帝国の滅びる日
☆あらすじ紹介ゆどうふ感想
○無敵戦艦ダイとメカザウルス二匹に囲まれるゲッター1…
ゴール「すぐ出てきなさい!そうすれば命だけは助けてやろう」
「とか言って、出てきたらすぐとっ捕まえて惨殺」に私は一票。
○ゲッターロボはなんとかゲッターウィングを修理し、ダイとメカザウルスに立ち向かう…
だが、ゲッター1、ゲッター3、そしてゲッター2も歯が立たない!
何とかゲッター2は隙をつくり脱出する…敗走するゲッターチーム。
そして、無敵戦艦ダイのデッキに恐竜兵士を整列させ、勝利演説を行う帝王ゴール…
どうでもいいけど、ここに並んでる恐竜兵士…なんか割と数少ない。
ゴール「見よ!このまぶしい太陽を!本日これより、我々恐竜帝国のものだ!」
○研究所地下シェルター。
ゲッターチームはそこで破壊の限りを尽くされる東京の様子、
そして国防軍のジェット機が無敵戦艦ダイにゴミみたいに落とされていく様子を見る…
結局、このダイを破壊したのが早乙女研究所ということを考えると、
国防軍って民間施設以下の兵力・戦闘力しか持っていないってことになるよな…うわぁ。
○早乙女博士の起死回生の策…それは、恐竜帝国戦略爆撃隊の帰還口でもある無敵戦艦ダイの口を攻撃することだった。
何故なら、その戦略爆撃隊を回収するため、そこへ続くルートは砲火がまったくない無風地帯だからだ!
(電波による誘導でそのコースは決してぶれることがないそうな)。
そして、三機のゲットマシンそれぞれの底部に合体式の三段式ゲッターロケット弾をその口にぶち込む作戦を立てる博士。
…だが、そのミサイル合体訓練中…ムサシは、緊張のあまりミサイルパーツを前を走るジャガー号のミサイルパーツにきちんとくっつけることができず、
ミサイルのドッキングに失敗してしまう!
…その後ちゃんと彼は合体に成功するのだが…
…それは、不吉な影。そして、いつか見ることになる光景…
○三段式ゲッターロケット弾をつけたゲットマシンで、再び飛び立つゲッターチーム!
だが、その途中メカザウルス・モバに襲われる!
危険な爆弾をゲットマシンの底部に抱えているため、無視しろと指示する博士。
だが、無視すればこのメカザウルスに襲われるのは研究所だ!
リョウ「しかし、それでは研究所が!」
博士「かまわん、いけ!」
リョウ「…すいません、博士!命令にそむきます!」
そして背面飛行で攻撃をかわし、ミサイル一斉射撃で見事モバを撃墜!
かっこいいぜゲッターチーム!
…だけど…ゲットマシンにすらやられるこのモバって、一体…
○そして、無敵戦艦ダイに近づく三機のゲットマシン…
イーグルからジャガーへのミサイルパーツ合体はつつがなく成功。
だが、ベアー号のムサシは、再びミサイルパーツ合体に失敗してしまう!
二回トライするが、その二回とも狙いは外れ…ミサイルはドッキングできないまま、彼らは無敵戦艦ダイの射程距離内にはいってしまった!
集中砲火を受け、火を噴くゲットマシン…リョウ、ハヤト、ムサシは何とか脱出に成功するが、三機のゲットマシンは三機とも爆発、炎上してしまった…!
○…そして、リョウとハヤトは怪我を負ってしまう…ベッドに横たわる二人に、謝りつづけるムサシ。
ムサシ「オイラが、ヘマさえしなきゃ…!」
リョウ「気にするな、ムサシ…」
ハヤト「ただよ…ついてなかっただけさ」
自分の失敗を責めない二人。それゆえ、なおさらに彼は己を責める。
…早乙女博士も、もはやムサシを責めはしなかった…
ムサシ「オイラのために大事なゲットマシンが…!」
博士「また、作ればいい!」
間髪いれずそう言う博士。
そして、彼はなおもこういい、泣くムサシを慰める…
博士「それより、君たちが生きて帰ってきてくれたことが、わしにとっては何よりもうれしい…!」
泣き崩れるムサシ。がっくりとひざから崩れ落ち、彼は叫びつづける…
ムサシ「どうすりゃいいんだ、どうすりゃ…!」
○パイロットスーツを着込み、自らが出撃しようとする早乙女博士。
…もはや、残ったのはコマンドマシンのみ。攻撃力に劣るコマンドマシンに、彼は強力なミサイル弾をつけたのだ。
博士「…後を、頼んだぞ」
和子「あ!……あなた…いって、らっしゃい…」
○だがその時、コマンドマシンに向かう影が他にもあった。…それは、ミチル!
怪我をしていながら出撃しようとする彼女を必死で止めるムサシ…
それでも聞かない彼女に、ムサシはやむなく当て身を喰らわせ気絶させる…
…そっと地面に彼女を横たえ、着ていたマントをかけてやる。
涙をぬぐいながら、彼はそっとつぶやいた…
ムサシ「ごめんよ、ミチルさん。…オイラ、ミチルさんが大好きです!
だから、危険な目にあわせたくないんです!」

コマンドマシンに乗り込むムサシ。身につけていたヘルメットと刀を放り出す。
ムサシ「…こんなの、荷物になるだけだ!」
早乙女博士が止める声も聞かず、彼は笑顔でコマンドマシンを発進させた…!
博士「いかん、ムサシ君!」
ムサシ「大丈夫ッすよ!…『今度』は、うまくやりますから!」
○そして、コマンドマシンと通信する博士。…そして、それを見ているゲッターチーム…
博士「…ムサシ君、今さら戻れといっても君は聞くまい」
ムサシ「もちろんです、博士」
博士「…この上は、君の成功を祈る…必ず、無事に帰ってきてくれ…!」
ムサシ「わかりました博士!」
ムサシ「だってオイラ、まだやらなきゃならないことがいっぱいありますからね…!
…そうだ、まずミチルさんに謝らないと…ごめんよ」

…このセリフを聞くたび、心が痛くなるほど哀しくなる…
「まだやらなきゃならないことがいっぱいある」と言っていながら、
その実彼は自分の帰還を、生きてまた仲間たちに合間見えることを信じていないのだ。
だからこの時に、ミチルに謝ったのだ…
しかし、彼の口調には悲壮さが感じられない。
…それだけに、それだけにその言葉が心に響く…
巴武蔵。マンガ版でもOVAでもスパロボでも、そしてテレビアニメ版でも彼はほとんど死にます。
そのほとんどが、命を賭して敵を討とうとする、すなわち「特攻」です。
しかし、テレビアニメ版での彼は、「特攻」という選択肢をはじめから選んでいたようには見受けられません。
できれば、生きて帰ると思っていたのではないでせうか。
だけど。
その可能性が1%もないことを、嫌というほど彼は熟知していた。
そこから来る諦念に圧倒的に支配されながらも…それでも、特攻かまして死んでやろう、という考えには行かない。
そのあたりの心理状態が、とても印象深かったのです。
このセリフこそが、テレビアニメ版の彼の死が、単純な「特攻」ではないことを示しているように思えます。
「やらなきゃならないことがいっぱいある」から、できれば生きて帰りたい。
だけど、その可能性はとてつもなく低い。
だから、今のうちに「ミチルさんに謝らないと」いけない…
これで、彼女に会うのは最後かもしれないから。
あきらめながらも、完全に希望は捨てないという…
○無敵戦艦ダイに一直線に向かうコマンドマシン…
恐竜兵士「敵襲!敵襲ー!」
…ですが、戦勝パーティーで酒をかっくらっているガレリイ長官、持っていたグラスを握りつぶしながらこうのたまいます:
ガレリイ長官「えーいわめくな、ベラボウめ!ゲッターロボはいねえんだい!」
…長官、酔うと江戸っ子になる人だったんですね。
○そして、集中砲火を浴び、コマンドマシンは火だるまになる。
ムサシ「あ…!エンジントラブルだ!」
ムサシ「ミサイルが…発射しない!」
コマンドマシン底部に取り付けられたミサイルは、攻撃の拍子で発射できなくなってしまったのだ…!
…そして、ムサシの絶叫。
ムサシ「…こんちきしょーッ…!!」
炎弾と化したコマンドマシンは、そのままダイの口に突っ込み、内部機関をメチャメチャに破壊し、
そして…機関部をも壊されたダイは暴走する!
…この、ダイの口に入ってから、コマンドマシンが機関部に突っ込み大爆発が起きるそのシーンまで、
ずっとコマンドマシンの搭乗者・ムサシの絵は出てきません。
燃えさかるコマンドマシンの中。それでも勢いに任せ、ダイの内部を突っ走るコマンドマシン。
彼の意識は、いつまで保たれていたのだろうか。
…彼が最後に見たのは、なんだったのだろう…?
○大魔人ユラーと帝王ゴール…不審な爆発音にいぶかしげな顔をするユラー・
大魔人ユラー「何の音だ?」
帝王ゴール「なあに、祝いの花火でございましょう」
…そのスッポコポンさ加減に、哀しくすらなったよ。
暴走するダイ。建築された基地をも踏み荒らし…
そして、帝王ゴールは落ちてきたシャンデリアの下敷きになって、
大魔人ユラーは暴走ダイにふみつぶされて(!)死亡する…
メカザウルスと激突し、無敵戦艦ダイは大爆発する…
そして、恐竜帝国は、その爆発の炎をもってして全ての破滅を迎えたのだ…
たった一機のちっぽけなコマンドマシンの特攻、
そしてそのコマンドマシンを駆った、たった一人の「人間」巴武蔵の命によって。

○研究所、地下シェルター。早乙女博士はマイクを握りしめ、幾度も幾度も彼の名を呼ぶ…
博士「応答しろ、ムサシ君…ムサシ君ッ!応答しろ…!」
だが、コマンドマシンからの応答は、もはや帰ってはこなかった。
○真っ赤な夕日を見つめるゲッターチーム…ジョーホーと元気の手には、彼の残したヘルメットと刀。
ムサシの名を叫ぶリョウとハヤト。…だが、その呼びかけに答えるものはすでに無く。
リョウ「ムサシ…何故死んだ、何故…?!」
博士「ムサシ君、君の死を無駄にはしない…!早乙女研究所は、引き続きゲッター線開発を進め、世界平和に貢献する…!」
そう、恐竜帝国は、今までゲッター線開発を妨げてきた恐竜帝国はもはやないのだ。
ゲッターチームの戦いは終わったかのように見えた…
だが、その頃、遠い百鬼帝国では…恐竜帝国の滅亡を機と見た百鬼一族の恐ろしい野望が始まろうとしていたのだ…