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竹尾ゼネラルカンパニー出撃事例詳細報告ファイル


第五十話(最終話)「とびだせ!若社長!!」
もしくは、緑ヶ丘小学校第八十五回卒業式
☆あらすじ紹介&ゆどうふ感想
マザーコンピュータ・シグマの前にて、地球侵略計画の顛末を語るザクロン。
だが、彼の脳裏には、ある考えが浮かんでいた。
彼は、敗北した。
完全なる物として崇拝されるロボット帝国の中枢・マザーコンピューターシグマ。
そのシグマの立てた計画に従って戦った彼は…トライダーG7に、「人間」たちに負けたのだ!
ザクロン(…地球に、負けたのだ!
こうなったら言ってやるわ…俺は、無能なのではない!
マザーコンピューター・シグマが、地球人に負けたんだ!)

彼は、苦渋の決断を下す…
それは、地球侵略計画を放棄させるため、「地球は価値がない」という「嘘(!)」を吹き込むこと!
ザクロン「申し上げます。私が見てきた限りでは、まったく使い物になりません」
シグマ「…余の判断ではBクラス、使い方次第では役に立つと出た」
ザクロン「た、確かに…
で、ですが。
住んでいるのはかなりの下等動物。
それを教育し、我々の手足として使えるのは何年も…いや、何十年も何百年もかかりましょう。
帝王の一番お嫌いな、無駄なエネルギーを費やすことだけでございます」
シグマ「…それほどひどい星なのか」
ザクロン「はい。オンドロンも、その程度の下等な星に無駄なエネルギーを使ったことを恥じ、
帝王に申し訳ないと、自ら責任をとって果てました」
(↑ちょwwwwwww)

シグマ「わかった…」
抑揚のない声で。
シグマ「地球のある太陽系などもうよい。既に我々の手に落ちた星の環境整備に全力を注げ」
こうして、地球侵略計画は、その当人たちがまったく知ることなく棄却された。
ザクロンは、シグマの前より辞去しながら、屈辱に満ちたその決定を己の中で繰り返していた…
ザクロン (帝王に嘘をついた…だが、これでよかったのだ!
もし本当のことが知れたら、帝王への信頼は崩れ、ロボット帝国は滅びる!
太陽系にある地球を、絶対に知られてはならぬ!
知らせてはならぬ…知らせてはならぬ!)


そして、いつも道理の能天気なタイトルシーン(笑)
何このすげえ落差(笑)

遠い世界での出来事など、何も地球は知らない―知らないままで。
そして、緑ヶ丘小学校。
6年2組児童がこの場所に集うのも、これが最後。
教室の掃除も、これが最後…
と、窓拭きをしながら、アキラとワッ太は世間話。
ケンイチが私立の名門校に合格した、というアキラは、「俺もアイツみたいに勉強すればよかった」などと無茶を言う。
と、そのうわさの主・ケンイチがそばにやってきて…
「ケンイチ、お前ともこれでお別れだよなぁ」と言うワッ太に向かって、意味ありげに笑う。
ケンイチ「…そうですかね〜?」
ワッ太「…はぁ?」
と、彼がおもむろに取り出してかぶったのは…黒い学帽!
その学帽を見たワッ太とアキラ、一様に驚きの表情!
なぜなら…その学帽は、緑ヶ丘中学、ワッ太たちが行くことになっている中学の校章がついていたからだ!
ケンイチは、「これは僕の帽子です!」と胸を張る。
私立の名門校はどうしたのか、と聞く彼らに、健一は笑ってみせた。
ケンイチ「あそこにいくのはやめたんです!」
ワッ太「やめたぁ?!」
ケンイチ「ママは反対したけど…僕は緑ヶ丘中学へ行きたいとパパに話したら、賛成してくれたんです!」
にっ、と笑いかける、「トモダチ」に。
ケンイチ「これで、君たちやかおるさんともまた一緒!よろしくね!」
ワッ太「ケンイチ…俺、お前って奴がどうもわからなくなってきたよ」
ケンイチ「そんな筈はないでしょ!
僕だって人間ですからね…ママが決めたパターンどおりには生きたくありませんよ」
彼はそううそぶくものの…ふっ、と、本音を漏らすのだった。
ケンイチ「本当は―君たちみたいなトモダチがいないと、つまんないのよねぇ!
ニヒヒヒヒ…!」
・:*:・(*´∀`*)・:*:・


と、隣の6年1組では…大門先生が、苦悩していた。
大門「うーむ、迷える子羊よ…何とかしなければ、何とか…
言うべきか、言わざるべきか、それが問題だ…!」

しばし煩悶した挙句、彼は突然決意した!!
大門「よおし、この際だ!はっきり言うぞ、むんッ!!」
彼女は三重子先生を下駄箱まで呼び出し、真剣な顔で切り出した。
三重子先生「何ですの?お話って…」
大門「三重子先生」
三重子先生「はい」
大門「僕は、言おうか言うまいかずいぶん考えたんです」
美恵子先生「はぁ…」
大門「でも、わかったんです!
美恵子先生、あなたの他には僕の願いをッ…願いを、叶えてくれる人はいません!」

彼は、一通の手紙を彼女に渡す。
「親愛なる三重子先生」と表書きされた、でけえハートマークのついた手紙を…!
その意図を理解するなり、みるみるうちに紅潮する美恵子先生の顔…!
大門「お返事は後で結構です」
三重子先生「大門先生…嫌ですわ、こんなところで申し込みをするなんて…うふっ、でも先生らしくって!」
微笑む美恵子先生が、うれしそうに告げる。
三重子先生「決心がつきました。母も、きっと喜んでくれると思いますわ」
が…それを聞いた大門は、なぜか不可思議そうな顔。
大門「『お母さんも喜んでくれる』…?!」
三重子先生「し、失礼します…ッ!」
しかしながら、美恵子先生はきょとんとした彼を置き去りに、足早にその場を去っていく…
三重子先生「あんな下駄箱の前でプロポーズなんて…!
本当に、あの人らしいわ!」
案の定、美恵子先生は手紙を結婚の申し込みと勘違いしていた模様!
が、立ち止まり、どきどきしながらその手紙の封を切ってみると…
三重子先生「…『明日の卒業式に着るモーニングが質屋に入っているんです…一万円貸して下さい』…
……まあ、ひどい!借金の申し込みなの?!」

これはひどいwwwwwww
ハートマークつけんなそんなもんにwwwww
さらにびんせんにもハートマークwwwwなめとんかwwwww

しかしながら、大門は先ほどの不自然な会話の意味を理解できないほどアホではなかった。
しばらく頭の中で反芻していた彼は、ようやく気づく…
大門「はっ、三重子先生…ぷ、プロポーズだと思ったのでは?!」
そして、「決心がついた。母も喜んでくれる」という彼女のセリフの意味も―!
大門「み、み、み、三重子先生が…つ、ついにオーケーを?!」
はじけた大門ははしゃぎまわる、屋上で大声で歌うように宣言する(*´∀`*)
大門「やった、やったあ!俺は世界一の幸せ者だぁーッ!!
ご町内の皆様、聞いて下さい!…三重子先生は、僕と結婚するんでーす!!」

わあっ、と騒ぎ出す児童たち。
三重子先生は真っ赤になって教室から飛び出してしまう…!
ワッ太「本物だ!二人は結婚するんだー!」
大門「やった、やったぞー!やったあああああーーー!!」
ワッ太「…大門先生も、はしゃぐわけだよな!」

一方、そのころ…竹尾ゼネラルカンパニー。
専務はなにやら難しい顔をしながら、電話機に手を伸ばしたり引っ込めたりしている。
郁絵「専務、さっきからどうなさったんですか?」
専務「え? あ…」
郁絵「電話をおかけになるならそうなさればよろしいのに」
専務「いや、大したことじゃないんだ…こんなことには慣れてるとは言え、いざとなるとね…」
木下「な、何ですか?」
専務「あ?いや、個人的なことですから……」
郁絵「電話といえば…最近はロボット退治の仕事は全然入りませんわね」
そう。ロボット退治の仕事が、全然入らなくなったのだ。
ロボット帝国が地球から手を引いた、そんなことなど知らない彼らにとっては、
ロボットによる襲撃が何故やんだのか、まったくわからないまま…
郁絵「何が目的で暴れていたのかわからないけど」
木下「妙なロボットでしたね」
専務「まぁ、仕事の減った分だけつらいけど(←木下を突き飛ばしながら(笑))社長を危ない目に合せないで済みますなぁ」
郁絵「そうですわね…
社長も中学へ行かれることだし、これからはあまり負担をかけないように考えなくてはね」

翌朝、卒業式の日…
なれない学生服に身を包む、竹尾ワッ太。
しかしながら「早く育てよ」との母心(?)のためか、その学生服はだいぶ大きめなサイズで、袖だのすそだのがぶかぶかだ…
ワッ太「ちぇー!悩める現代の若者のキモチ、わかってくれねえもんな!」
だが、その学生服を着た姿で、何処か誇らしげに胸を張りながら。
彼は家を出る前に、仏壇の前でこう言うのだ―
ワッ太「じゃッ、父ちゃん…行ってくるからな!」

緑ヶ丘小学校・体育館。
居並ぶ制服姿の児童たちの前で、校長が送る言葉を述べている
校長「皆さん、卒業おめでとう!思い起こせば…」
あまり面白くないスピーチに、会場がうとうとしかけた…その時だった!
専務「しゃ、社長ぉーーーーーーッッ!!」
チャリンコをぶっ飛ばして会場にいきなり乱入してきたのは、なんと専務!
大門「専務?!」
専務「しゃ、社長、お喜びください!!」
ワッ太「これから仕事なの?!」
専務「いやッ、とんでもありません!」
すわこんな時にまで仕事か、と困惑するワッ太に、首を振る専務。
ワッ太「専務、一体どうしたっての?!」
専務「産まれるんですよッ!」
大門「…生まれる?」
専務「はい、14人目の子どもがこの夏に産まれるんですッ!」
ワッ太「ちょ、ちょっと、14人って…今、子どもは12人だろ?!」

そう、専務には12人の子どもがいるのだが…なぜ、次が14人目?
それと言うのも…
専務「はい、今度は双子なんです!」
先ほどから電話すべきかそわそわしていたのは、そのためだったのだ!
専務「妻が病院で診てもらってわかったんですが、何はともあれ社長にお知らせしようと思って…」
ワッ太「よかったね専務、おめでとう!」
大門「おめでとう、専務!」
専務「いやぁ…とにかく私も、産まれてくる子どものためにもっと頑張らねばぁ!」
と、テンションがあがりきった専務、いきなり体操を始める…ジョナサンと一緒に、厳粛な式中に(笑)
唐突の闖入者にあっけにとられていた会場の保護者たちも、さすがに騒ぎはじめた…
そこで、大門先生。
専務を無理やり引っ張り、ステージ上に押し出した!
大門「皆さん!ここにいらっしゃるのは、今日の卒業式に父兄代表としてご挨拶していただくことになっていた、柿小路梅麻呂さんです」
専務「へ……私が、挨拶(・∀・;)?!」
ワッ太「ええっ、専務が?!」
大門「私のミスで式の始まる時間を間違えて教えてしまったのですが、こうして柿小路さんは自転車で駆けつけてくれたのです!」
保護者たちは、何だそうかと拍手を送る!
急かす大門に、困惑しきりの専務…
大門「何でもいいですから!」
専務「いや…しかし、突然言われても、あの」
大門「この場を収めるのはこれしかないんですよ!」
大門先生の無茶振りに渋るも、演壇へと押される専務。
大門「それでは柿小路梅麻呂さん、お願い致します!」
専務「た…た、只今ご紹介にあずかりました、柿小路でございます!」
動揺と緊張でがちがちになった専務、ともかくスピーチ開始!
専務「ほ、…ほ、ほ、本日はお日柄もよく、桜のつぼみも…げほ、ごほッ!」
大門「リラックスして、リラックス!普段のままで!」
大門の応援に、汗をぬぐいながら専務はスピーチを続ける。
この専務のスピーチが、とてもいい…
この後をノーカットでお楽しみください:
専務「卒業生の皆さん、そして父兄の皆さん!今日は本当におめでたい日です!」

専務「人間、生きていると色んなことがあります…私も今年で65年間、人間をやっとりますです!」

専務「しかし人類の歴史から見ますと、ほんの一握りの年数です。
その一握りの体験で言わしてもらえば…
人は、実に小さなことで怒ったり、けんかをしたり、小さな喜びに笑ったりしています。
そうしたことは一見、意味のない無駄なような気もします。
しかし、その無駄の中に、何か大切なものがあるのではないでしょうか。
無駄をするから人間なんです!」

専務「近道よりも遠回りの方が、多くのものに出会うことができます。
ですから、時には遠回りも必要なんです」

専務「そして、君たちが生きていく上でとても大事なことは…
お互いを信頼し助け合うことです、たくさんのトモダチを持つことです!
今日は、何かが終わった日ではありません。明日に向かって、羽ばたいていく日です!!」


♪仰げば尊し 我が師の恩…
ワッ太たちの歌う「仰げば尊し」に、涙をこぼす先生たち。
こうして、緑ヶ丘小学校卒業式は終わる。
この場所を巣立つ児童たちの前に、無限の未来への扉を開いて―

…その後。
竹尾ゼネラルカンパニー社屋で、パーティが開かれていた。
美恵子先生大門先生の婚約祝い・専務の奥さんの出産祝い・そしてワッ太たちの卒業祝い…
その3つを兼ねた大パーティだ。
誰も彼もが浮かれ騒ぎ、めでたい一日を祝っている…
と、その時。
パーティもたけなわ、電話がかかってきた。
それは、「穴の開いたドラム缶がたまってるから、処理場まで運んでくれ」という依頼の電話。
が、せっかくの祝いの宴なのだ、それを断ろうとする専務だが…
ワッ太「専務!どんな仕事だって断っちゃだめだよ!」
取締役社長は、意気揚々と受話器を手にし、堂々とした態度で応対する。
ワッ太「はい、竹尾ゼネラルカンパニー、お受けします!
場所は?…はい、了解しました!」
専務たちに快活に笑いかけ、彼はしっかりとした口調で言った。
ワッ太「近くだ。すぐ戻ってくる」
鉄さん「あぁ、仕事でしたら私が…」
ワッ太「まーかしとけって!俺は社長だい!」

そうして、勢いよく駆け出していくワッ太…
その背中を見つめる鉄さんは、しみじみとかみ締めるようにつぶやくのだった、
鉄さん「…先代社長に、だんだん似てきましたなぁ…!」

公園に響くのは、いつもどおりのアナウンス。
「毎度お騒がせして申し訳ございません。
只今より、トライダー発進致します。危険ですから白線の外までお下がり下さい」
いつもどおりの光景に、
ワッ太「安全確認!…発進!」
いつもどおりの若社長。
そう、彼はいつだってこうして前向きに進んでいくのだ、
悲しみも苦しみも、明るく笑い飛ばしながら、前へ前へ前へと―!

大門「ワッ太ーッ、頑張れよぉーーーッ!!」
アキラたち「頑張れーーーーー!!」
ワッ太「わかってるって!任しときッ!!」

トライダーは飛び立っていく、勇猛に、勇壮に!
新たに旅立っていく少年を乗せて、彼の強いこころを乗せて―

ワッ太「父ちゃん…見ててくれ!
…これからも、ずーっとな!!」

☆★Congratulations on your graduation,★☆
☆★TAKEO Watta and the classmates of 6-2!!★☆