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◆ 転生samsara〜有転じて無、無転じて有〜
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…ああ。
また、この場所に戻ってきた。
「全てのイキモノが行く場所」に…



今まで何度、繰り返したことだろう。
過去を忘れ、新たな命を得て、また地上で生きて。
そして死に、再びこの場所に帰りつく。



また、この場所に戻ってきた。



だが、地上で―本来なら決してありえない、「二度目」の「キャプテン・ルーガ」として―時間を過ごしている間に、
私の待ち時間は随分と消費されてしまったようだ。






…誰かが、私を呼んでいる。






そうか。


また、旅立つ時が来たのか。


また、過去を失い、記憶を失い、全てを失い
また、「未来」を得て、いのちを得て、地上へと降り立つ。


全ての魂が繰り返す終わらない輪廻(リンカネイション)の輪―
その輪の一部として、私もまためぐる。






…そうか。
また、全て忘れなければならないのか―






私は、キャプテン・ルーガというハ虫人だった。
ハ虫人として生まれ、
ルーガ・スレイア・エル・バルハザードという「名前」を与えられ、
愛されて成長し、
様々なことを学び、
浅はかで幼いが純粋な恋をし、
悩み苦しみながら乗り越え、
剣を…恐竜剣法を学び、師に仕え、極め、
それを後進に伝え、
軍人として身を立て、恐竜帝国のキャプテン・正龍騎士となり、
その誇りと自負を胸に戦場に立ち、
友と交わり、夢を語り合い、
笑い、
泣き、
怒り、
私は、そうして生きてきたハ虫人だった。
私は、キャプテン・ルーガというハ虫人だった。






母上、父上、申し訳ありませんでした。
リーア、お前にも。
帝王ゴール、あなたと恐竜帝国を裏切った私をお許しください。
ああ、私が捨てた、私が愛した、全ての人々よ―










ああ、
消える、
消え失せる、
私の意識も、
私の意志も、
私の存在も、全て―










―エルレーン。










だが、きっと、






おまえ  との  「やくそく」  だ    け              は












































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