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◆ ながい あとがき
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まず、お礼を言わせてください。
こんな長い話(ゲッターロボ編・80話/スパロボ編前半・68話/スパロボ編後半78話)を読んでくださって、誠にありがとうございました!

このお話は、ゲッターロボ時代からいくと、大学4年の夏休みから書き始めたことになっています。
つまり、私が21歳の時からなわけです。
そして、今私が26歳。
ほぼ5年。ほぼ5年かけて、この小説群を完成させたのですね〜…感慨深い。
最初のほうは文章が自分で読んでも「うわー…」な感じですが(笑)

「エルレーン」という「名前」に関して。
元ネタは以前にも何処かで書いたように、「ファイアーエムブレム紋章の謎」というゲームに出てくる
男魔導師「エルレーン」からです。
この人が好きだったのと、名前の響きから何の気なしに取りました。
この物語では、「キャプテン・ルーガが神話にちなんでつけた」ということにしています。
…それは、「滅びの風(El-「風」raine-「滅び」)」。
恐竜帝国の神話に出てくる、破壊の女神の「名前」…
かつて恐竜を「ハ虫人」に進化させる原動力になったにもかかわらず、
その後突如「ハ虫人」の身体を苛み殺す殺人光線と化した、天空より降り注ぐ未知のエネルギー…
すなわち、「ゲッター線」のことです。
この「名前」をつけたキャプテン・ルーガは、結構そのへんでユーモア感覚のある人です。
「ゲッター線」を使ったロボット、ゲッターロボを倒すために造られた少女に、
「ゲッター線」の意味を持つ「名前」をつける…
そこには、彼女なりのちょっとしたジョークがこめられています。
そして、その昔、自分たちに知恵というめぐみを与えてくれた女神のように、
その流竜馬のクローンが、自分たちに勝利というめぐみを与えてくれるように、と言う願いが…
(しかし、「最後」まで結局神話どおりだったわけですが)

スパロボ小説なのにゲッターロボ関連のキャラばかり扱ったのは、
スパロボをやったとはいえ、私が原作を知らないアニメが多すぎる事と
全ての作品キャラを生かす事など到底出来ないと踏んだためです。
そのため、(ゲッターにあまり興味のない)検索などでスパロボ小説を探してこられた方には
がっかりさせてしまう結果になったかもしれません
(一応、ゲッターロボについてさえある程度知っておられれば読むことの出来るようには
気をつけて書いたつもりなのですが…)。
例外は、「グレートマジンガー」の「剣鉄也」です。
今では第二次αやなんかで結構シナリオ上もおいしい役をやったりしていますが、
私がα外伝をやった頃は、α外伝で始めて日が当たった…みたいな感じだったので。
その時の鉄也を、自分なりに表現してみたかったため、彼には第三部まるごとを当てました。
鉄也の葛藤をうまく書けたでしょうかね…

この作品のテーマは、「人間は可変である」ということです。
生きている限り、変わることはできる。絶対に。
それを、「エルレーン」という少女を焦点に描きたかったのです。

この小説は、「人間は可変である」つまり、「人間は変わることができる」と
いうのをメインテーマに進んでいます。
実際、エルレーンと言う少女はイベントごとに様々なことを学び、変わりました。
恐竜帝国と戦うことを決めた時に、いとしい人を守ることを。
No.0と戦った時に、「正義」のこころ、そして生きると言う意志(生存本能)を。
鉄也と戦った時に、龍騎士(ドラゴン・ナイト)の意志を。
キャプテン・ルーガと戦った時に、「人間」として生きる、という誓いを。
そして今―自分の選んだ「未来」から逃げない、というこころを。

(「人間」が)生きていくとはどういうことか、と言うと、やはり
「選んでいくこと」だと私は思います。
それこそ、朝コーヒー飲むか紅茶飲むか、
マンガ買って職場いくか週刊誌買って職場いくかみたいなことから、
戦うか逃げるか、退くか退かないか、果ては生きるか死ぬかまで―
全て、誰もが選びながらに生きています。
そしてその皆の選択が複雑に絡まりあい、一つの結果―「未来」をつくる。
そういうことだと私は考えています。
自分が苦しい時、「ああ何でこんな世の中は辛くて苦しいんだ」って言って
嘆くのも、別に悪いことじゃありませんが。
けれど、それでも、辛かろうがなんだろうが、
自分の選んだ道を、自分が選んだ自分自身を拒絶しないで、受け止めて生きていく―
そういうのが、前向きで主体的な生き方って気がします。
強い生き方って気がします。
(「夢幻〜"the chosen stories, the chosen futures, the chosen YOURSELF"〜」執筆メモより)


後、ゲッターチーム三号機担当である、ムサシとベンケイ。
彼らを割りと大きく扱っていたのですが、見返してみるとよかったと思いました。
やっぱり、スパロボじゃあリョウとハヤトばっかり目立ちますから。
ムサシはいっつも特攻だし。うう。
ベンケイなんてほぼ空気状態…
でも、原作アニメ版だと、結構どっちも出張ってるのです。
ゲッターチームは何しろ「三つの力が一つになる」のですから。
そこで、この小説では彼らを結構意図的に目立たせてみました
(そのかわり、割りを喰ったのがハヤトですが…(笑))。

これから先スパロボ小説を書くことになったとしても、
これほどの長編が書けるか、自分でも疑問です。
またおそらく特定のアニメキャラに偏ったものを書くでしょうし…
どちらにしても。
私は、この作品に満足しています。
自分なりのスパロボ世界が完結した事に。

「エルレーン」の物語はまた書こうと思っています。
この物語の続きとして。
当然、それは「ゲッターロボG」の世界のお話で…
(でも、他のロボットアニメとのクロスオーバーも考えています)。

是非、この作品の感想をお聞かせください。
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あなたのお言葉を、楽しみにしています。

Frau Yudouhu. 2006/12/17


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