ドイツ語アルファベットで30のお題
〜長編小説「暗黒戦隊ジャスティリオン」〜


Prologue

『侵入者は…地球…太陽系第三惑星の乗物か…』
「こ、こいつが…ガイゾックの正体か?!」
『その声…神勝平だな…我、敗れたり…神勝平…』
「や、やっぱり、貴様がガイゾックか!これがガイゾックの正体なのか?!」
『我は、ガイゾック星人によって造られた…コンピューター・ドール第八号に過ぎない…』
「ただの…コンピューター?!」
『そうだ…悪い考えを持ったイキモノに反応するように造られている…
かつて、我…お前たちの先祖の星…ビアル星を、悪い考えが満ち満ちていた故に滅ぼせり…
そして、我、二百年の平和な眠りにつけり…
だが、再び悪い考えに満ち溢れた星が、我の平和を目覚めさせたのだ…
その星に、お前たちがいた…』
「地球の人間が、みんな悪い人だと言うのかッ?!」
憎しみ合い、嘘をつき合い、我がままな考え
まして、仲間同士が殺し合うようなイキモノが、いいとは言えぬ…
宇宙の静かな平和を破壊する…
我は、そのようなイキモノを掃除するために、ガイゾックによって造られた…』
「そ、そんなことはないッ…み、みんな、みんないい人ばっかりだぁッ!」
『神勝平。我がシステムは破壊されすぎた…
最後に聞きたい…何故、我に戦いを挑んだ?何故…?』
「…地球を守るためだッ!」
地球のイキモノが、頼んだのか…?』
「俺たちの地球だ!…守らなくっちゃ、いけないんだッ!」
『自分たちだけのために、守ったのか…?』
「…違うッ!!」
『神勝平。本当に、家族や親しい友人を殺してまで、守る必要があったのか…?
悪意のある地球のイキモノが、お前たちに感謝してくれるのか…?
地球という星が、そのような優しさを…?』
「…〜〜ッッ!!な、何を、ッ」
『お前たちは勝利者となった…
しかし…
お前たちを優しく迎えてくれる地球のイキモノが…いるはずがない…』
「こいつ…ッ!」
『この悪意に満ちた地球に…
お前たちの行動をわかってくれるイキモノが…
一匹でも、いると、言うのか…?』

(『無敵超人ザンボット3』最終回『燃える宇宙』より)