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◆ 場違いな覚醒
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うっかりリョウが学校にいる間に目覚めちゃったエルレーンの話です。
あと、もう一回文次親分を出してみたかったので。
ところで、ジョーホー君はアニメ版でも学校をよく休みます。
その理由がふるってます。
1、ムサシ先輩がリョウやハヤトに比べてぱっとしない理由を考えるため(3日)
<ちなみに答えは「バイクがないから」…違うと思います(笑)>
2、ラッパを練習するため(5日)
…学校の先生は多分、泣いています(笑)

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◆Castor et Pollux
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とうとう始まる、恐竜帝国マシーンランドとの対決。
その前日、目覚めるエルレーン…
彼女は、本当ならば見られるはずのなかった冬の星々を目にします。
その中にきらめく、カストルとポルックスという星。
双子座の、兄弟星…
神話がとても暗示的なので、使ってみました。
ちなみにこの神話では、神々の父親・ゼウスのダメ人間ッぷりが
(神なのに「ダメ人間」っていうのはアレですが、この神話を読むと
本当にそうとしか思えねえので…^−^;;)
よく出ていて、ある意味すごいです。
そりゃあご妻君のヘラにも頭あがんねえだろうよ。
というか、レダもすごすぎ!卵産んでるし!
テュンダレオスがかわいそうだよ!
妻が不貞を働いた上相手は白鳥(ゼウスの変身した姿ではありますが)だよ!
しかも妻は卵を産んだよ!ホギャー!人間はいつから卵生になったんだ!
もう私だったらその時点でショックのあまり出家だな(笑)

ちなみに、私の意図的にはエルレーンとリョウが逆なんですけどね。
カストルとポルックスの関係と比べたら(エルレーンのほうが「人間でない」→「ポルックス」。
しかし、実際に「死んだ」のは彼女のほうでしたから)。
しかし、死にゆく「兄弟」を必死で引き止め、その運命を分け身にする…というあたりが
二人の関係を象徴しているようで、非常に興味深い神話です。

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◆ 大爆発!くたばれ恐竜帝国
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敵の基地名を、いつのまにか主人公たちが知っているって
なんか変ですよね。
「くそぅ!あの○○を何とかする方法はないのかよ?!」とか。
あと、敵のメカの名前を知っているのも、なんか変ですよね
(操縦している人が「フハハハハ、この○○に勝てるか、△△よ!」とかいったなら別ですが)。
ゲッターではいつでしたっけ、敵の本拠地が「マシーンランド」ってわかったの…
まあ、んなことどうでもいいんですけどね。
エルレーン出てこないしあんまり書くことないや。

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◆ 大爆発!くたばれ恐竜帝国(2)
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マシーンランド…テレビアニメ版でも、なんか割とあっさり破壊されてましたが。
でもあれ、基地なんですよね。
ってことは、あそこにたくさんハ虫人たちがいたわけで…
彼らは、避難したのかなあ…?

どうでもいいですが、この「くたばれ」という言葉…
一生に一度でいいので、口に出して使ってみたいです個人的に。
なんか、響きが好き(っていえるような言葉じゃないんですが^−^;)

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◆ Der Tag, der das Dinosaurier Reich zugrunde geht
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「恐竜帝国のほろびる日」という意味のタイトルです。
これは、テレビ版ゲッターロボ、最終回のタイトルでもあります。
私はこの回を見たとき(ビデオで)、とてもはじめは不思議な感覚にとらわれました。
「あれ?これで終わりなのか?ムサシ本当に死んじゃったの?」って。
…でも、それは「死」というものを、大仰なものだというイメージでしか
捕らえていなかったせいでしょう。
後からだんだんわかってきました。
彼の死はあまりにあっけなく、ですがそれゆえに哀しく真実味あるものなのです。

恐竜帝国の滅びる日、それは、
巴武蔵という人間の肉体が滅び…そして、その存在だけが
仲間たちの心の中に、永遠に刻み込まれた日でもあったのだ。

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◆ Der Tag, der das Dinosaurier Reich zugrunde geht(2)
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で、その続きです。
…この章は、ほぼテレビアニメ版最終回(第五十一話)の
ストーリーにそってかかれています。
ゲッターチームの中で、はっきりと目に見えて操縦技術が低かったムサシが、
結局最後までリョウやハヤトの足を引っ張ってしまう…
そのきわめつけみたいなストーリーになっています。

もともと、巴武蔵は「爬虫類恐怖症(←恐竜帝国、そしてメカザウルスと
戦う上では致命的な弱点…実際、メカザウルスに怯えたムサシが
逃げ出そうとしたために負けてしまった戦闘もあります)」であり、
しかもはじめのうちは自身の担当するゲッター3への合体も
スムーズに行えないなど、他の二人に比べて明らかに欠点が多かったのです。
しかし、それを一つずつ、少しずつ克服して…
そしてやがて、むしろムサシがリョウやハヤトを引っ張っていった戦闘も見られるようになります。

ですが、最終回ではそうではありませんでした。
自らのミスで無敵戦艦ダイ攻撃は失敗、ゲットマシンも破壊されてしまう…
その責任を、彼はたった一人で背負おうとするのです。

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◆ Der Tag, der das Dinosaurier Reich zugrunde geht(3)
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そして、この章で恐竜帝国とゲッターチームの長い戦いは幕を下ろします…
テレビアニメ版では、帝王ゴール様はシャンデリアの下敷きになって死ぬという、
情けなく哀れな死に様をお見せになります(涙)。
で、恐竜帝国の神、大魔人ユラーも…
っていうか、この大魔人ユラー、神のくせにやることショボい。で、あっさり死にすぎ。
というわけで、ユラーはもう話に出すのやめました混乱するから。
帝王ゴールは再び地下にもぐることを決意、再び地上を攻める好機を待つことを決めます。
それはすなわち、地上、「人間」たち、そして早乙女研究所とゲッターチームに
平穏の時が訪れたということ…
大切な仲間、巴武蔵の死という大いなる犠牲を払いながらも。

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◆ 残像(残された者たちをさいなむ、彼の記憶)
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モノはただのモノではない。
それを使う人がいれば、そこに「物語」がうまれる。
「物語」がそのモノを、他のモノとは違うものにする。

この章は、そんなモノと、そこから生まれるムサシの残像…
ムサシの記憶と、リョウとハヤトの物語。
そして、私なりの、巴武蔵への鎮魂歌。

ああ、人の死は痛いよな。
でも、死ななきゃあならないからな、イキモノは。
でも、「痛い」っていうのは、救いだよな。
だってそれは、少なくともその人が愛され、
他に影響を与えていたことの証明。
その人が素晴らしい存在だったことの証明。
そして、その人の残したモノは語り継ぐ。
その人の「物語」を。
いつまでも、いつまでも…

「僕は心理的に自分をごまかしていたのにちがいない。
少なくとも一か月たつまで、涙一つこぼさなかった。
町を歩いていて、あるデパートの前にさしかかり、
ショーウィンドウにきれいなドレスがかかっているのを見たとき、
僕は
『ああ、アーリーンの好きそうな服だな』と思った。
その瞬間だった。どっと悲しみが堰を切ってあふれたのは。」
(『困ります、ファインマンさん』R・P・ファインマン)

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◆Monologue〜Nobody hears, Nobody knows〜(2)
(もしくは、Requiem〜今はもういない人々のために〜)
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エルレーンのモノローグ…そして、悲壮な決意です。
この章で彼女は、痛々しいほど「ごめんなさい」といってばかりいます。
恐竜帝国サイドの人々に対して…
エルレーンは、やっぱり最後まで「ハ虫人」と「人間」、
その境界線上に立っていた存在だからです。
「人間」側、リョウたちゲッターチームに力を貸すと決意したその時点で、
エルレーンは結局、キャプテン・ルーガたちを結果的に裏切ってしまうことになったのです
(もちろん、キャプテン・ルーガが生きていればそうはならなかったかもしれません)。
それゆえ、彼女は償いの言葉を繰り返します…
そして、無敵戦艦ダイに特攻した、ムサシにも…
それは、今はもういない人々のための鎮魂歌のように
(帝王ゴールは本当はまだ死んでませんが)。

恐竜帝国が滅びた今、(エルレーンが自分で思っている)自分の存在価値は、なくなりました。
それゆえに彼女は、ある選択肢を選びます。
最終章は、彼女の「最後の時間」…そして、いとしい人々との、別れの時です。

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◆ そして、少女は永い眠りについた
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さて、このgetter robot another story、やっとこの章で
一旦終わりを迎えます。
恐竜帝国が滅びた今、自分の存在価値はもうない。
そう思ったエルレーンは、二度と「外」に出てこないことを、
リョウの中で眠りつづける事を決心し、
ハヤトやミチル、博士…そして、ムサシに別れを告げます。
そしてエルレーンは、永い眠りにつきます。
彼女の象徴にも等しい満月が夜闇と去ると同時に…

しばらくこれで、エルレーンは彼らの物語から姿を消します。
ですが、それに続く物語…
super robot wars alpha gaiden another storyで、
再び彼女は、彼らゲッターチームの前に姿をあらわすのです。

っていうか書かないと、super robot wars alpha gaiden another story(笑)


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