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◆ 別離(2)
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キャプテン・ルーガの死、そしてエルレーンにとって転機の章です。
この時点ではっきりと、彼女はゲッターチームを「敵…親友の仇」と
認識しました。

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◆ 復讐の刃
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ゲッターチームを「敵」とみなしたエルレーンは、それこそ死に物狂いでゲッターロボを
破壊せんとせまります。
しかし、この章でははっきりと示されていませんが、
彼女は既に、自分ではどうしようもないアンビバレンツの中に陥っているのです。
ゲッターチームも自分たちが犯した罪を知り…そのことに、苦しまざるを得なくなっています。

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◆ 復讐の刃(2)
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エルレーンのゲッターチームに対する相反する感情が行動となってあらわれています。
殺したいけど、殺したくない。
彼女自身もその感情に気づいており、そのことにひどく混乱しています。
ですから、やることに一貫性がなくなってしまうのです。
今までの5ヶ月で彼らゲッターチームとの間にできた思い出が、彼らへの思いが、
彼女を駆り立てる復讐の刃を鈍らせるのです。

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◆ Mea culpa, Mea maxima culpa
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とうとう、彼女の…心の堰が切れてしまいます。
ゲッターチームは彼女に自分たちのところに来るように必死で呼びかけますが、
彼女はそれには答えません…
キャプテン・ルーガへの思いが、それを拒絶させます。
愛しい人間たちのもとに行く事を…

ところで、このタイトルもやはり
「ノートルダムの鐘1」からです。ディズニー版イエー。
ちなみに、これはHell Fireという歌からとった、コーラス部分です。
とても暗示的なので、そのコーラス部分ちょっと書きませう。
これはもともと、宗教歌Reqiuemからとった歌詞ですね。

Mea culpa      我が過ちなり
Mea culpa      我が過ちなり
Mea maxima culpa   それは、我が最大の過ちなり

Kirie Eleison.   神よ、憐れみたまえ

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◆ もしも、戻れるのならば
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リョウはエルレーンの望み…うっすらと、自分でも
気づかないほどぼんやりと望んでいたこと…を、
最後に感じ取りました。
精神的に追いつめられたエルレーンが次に何をするか…
その哀しい選択を彼は感じ取りながらも
自分には何もできないことをも痛いほど感じています。

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◆ sui-cidium(sui自分で-cidium殺す事)
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ラテン語語源の言葉で、二つあわせて"suicide"
「自殺」ということになります。
自殺者は普通の死を迎えた人とは別の場所に行くそうですね。
マンガだかなんだかで読んだ気がします。
キャプテン・ルーガはエルレーンを拒みます。
いくら彼女が地上で苦しんでいることを見知ってはいても…
そのような「死」は、キャプテン・ルーガの望むものではないから。

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◆ 決意(たとえそれが間違っていたとしても)
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エルレーンの決意の章。
そして彼女は彼女なりの「決断」を下します。
それが誤っていたとしても、
それは彼女が為した、大きな決断です。

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◆ Forget-Me-Not(「私を忘れないで」)
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ハヤトとムサシに別れを告げ、早乙女研究所を襲うと
予告するエルレーン。
いや、最早彼女にとって早乙女研究所を破壊することなどどうでもいいこと。
ゲッターロボと、ゲッターチームと戦うことこそが
彼女に残された最後の望み…
しかし、エルレーンはその戦いであることをたくらんでいます。
自分でもそのたくらみに強い疑念と嫌悪を感じながらも。
そのことをこの章でハヤトとムサシに示唆しています。
しかし、二人はそれに気がついていません。あの言葉の、本当の意味に。

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◆ 最後の戦いの場へ
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帝王ゴールと、エルレーンの章。
私は、恐竜帝国が「悪」だとは思っていません(それゆえに、ゲッターチームもまた「正義」だとは思っていません)。
かつて住んでいた場所に帰りたかった。でも、今その場所には「人間」が住んでいる。
…ならば、彼らを殺して、その場所を奪い取れ。
それは、「悪」でしょうか。
先住権というものは、一体いつから数えれば成立するのでしょうか?
エルサレムを巡る、いまだに続くあの戦いと…構図は同じだ、という気がしてなりません。
あの戦いでも、どちらが「悪」ということはないと思っています。

また、帝王ゴールは「帝王」ゆえに…彼は彼なりに、エルレーンという
恐竜帝国にとっての「異物」…「兵器」として造られた「人間」…に対して、
複雑な感情を抱きながらも、今までの戦いぶりを賞賛し、
「恐竜帝国の戦士」…つまり、恐竜帝国の一員である…と認めます。
それはエルレーンにとってまったく予想外の事でした。
キャプテン・ルーガほどにではないにせよ、「人間」である自分を
「仲間」として認めてくれる者が(しかも「帝王」だ)
マシーンランドにまだいた、ということを知ったからです。
しかし、それは幾分遅すぎました…
そして、遅すぎたからこそ、ギリギリだったからこそ、
「帝王」たるゴールはやっとその言葉を口に出来たのかもしれません。
…周りの部下がみんなエルレーンを「捨て駒」扱いするなか、
彼らのプライドを刺激する事なしに、どうしてエルレーンをかばえたでしょう?

私は帝王ゴールに、「帝王」たる思慮深さを見せるシーンをつくりたかったのです。
その基準が人間のものとはかけ離れていたとしても…
それゆえに、彼は「帝王」なのですから。

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◆ the last battle(1)
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あれほど嫌っていたナンバー・ネーム「No.39」を名乗り、
早乙女研究所に襲来した「エルレーン」…
あえて「エルレーン」という名を使わず「No.39」と言うのは、
戦うことしかできない、今からゲッターチームを殺そうとする自分から
彼らとともに過ごしていた頃の自分を切り離したいからです。
…リョウやハヤト、ムサシと笑いあっていた、「人間」としての自分を。
しかし、彼女は完全な「兵器」にはなりきれない…
それでいながら、「兵器」以外のものにも、なりきれずにいます。

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◆ the last battle(2)
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ゲッターチーム、3つの心がひとつにならずに
バラけてしまっています。
リョウはエルレーンを救いたい。
だが、ムサシとハヤトはあくまでエルレーンと戦うことを選ぶ…
それが、最後の彼女との約束だったから。
しかし、変えられない現実を知ってもリョウは叫びます。
そのことが、彼らの運命をほんの少し変えるのです…

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◆ the last battle(3)
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そして、戦いは終わりを迎えます…
エルレーンのイーグル号への自爆、メカザウルス・ラルの研究所への特攻をもって。
リョウはようやく、エルレーンの本当の「望み」を理解し、
それをそのまま受け入れました。
彼女を思う心の強さゆえに…

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◆ Die schlafende Schoene(「眠り姫」)
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ドイツ語でタイトルをつけようの回(笑)
あの童話からとったタイトルです。
Die Dornroeschenともいいます。こっちだと「いばら姫」ですが。
ちなみに、Schoeneは「シェーネ」って発音です。
oeは本当はオーウムラウトなんですが…
をっと、本筋。
この章で、ようやくハヤトとムサシはエルレーンのあの言葉の意味を悟ります。
そしてリョウの秘密も…
文字通り、「眠り姫」となったリョウは何処に行くのか?
それが次章のステージになります。

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◆ あたたかな闇〜人間には、「煉獄」と呼ばれる場所〜
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臨死体験の章。
煉獄というのは要するに閻魔大王がいるところなんですが。
「死の世界へと続く、この世から続く道となる場所」です。
そして、リョウとエルレーンの別れの章でもあります。
少なくとも、リョウにとっては。

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◆ 一人きりの生還、そして告白
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目覚めたリョウと仲間たちの章です。
自身の秘密を告白したリョウを、仲間たちは戸惑いながらも受け入れようとします。
ミチルが言うような「今までどおり」には、完全にはならないにせよ…
エルレーンを救うことができなかったリョウは、ひたすら己を責めつづけます。
ずっと、ずっと…


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