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vsゆどうふ 第五試合<vs眠気in授業>


眠りなくしては人は生きていけない。眠りは記憶を整理し、

つらい思い出を、脳という小宇宙のはるかかなたへと追いやってくれるもの。

安らぎの場たるその眠り。しかし、その眠りを呼び覚ます眠気が私達に牙を向くときもある。

そう、特に授業中。クラスのほとんど全員がそれと戦ったことがあるだろう。

だが、人類の英知を持ってすれば、必ずやその自分との戦いの中にも勝機はあるはず。

これは、そんな戦いの記録である。


それが何の授業だったか、何限目の授業だったか、それはもはや問題ではない。

問題は、今私が非常にきわどい位置にいるということだけである。眠いのだ。

大学に入ってからというものたいてい私は一番前の席に座ることにしていた。それが、仇となっている…

 なんと言うことだろう、私は話を聞かせてくれている人の目の前で爆睡しようというのだ!

何が悪かったんだろうと私はもはやかすみがかかったような感覚の中で思う。昨日の夜更かしだろうか…

と、その瞬間私の頭ががくっと支えを失い落下する。とたんに体中がはっとそれを知覚し、私はびくっと震えた。

『あ…危ないところだった…もう少しでイッてしまうところだった…』もちろん、別世界へ、だ。

瞬間的にかすみが霧散しはっきりとした頭に、危機感だけがむなしく空回りする。目の前においてあるノートには

おそらく宇宙人からの更新により自動筆記されたと思われる文字列(しかしそのわりには『イニシエイションの喪失』『近代の変化』などと

日本語でかかれているのはなぜであろうか)がゆがんで羅列されている。

ふと横を見れば、すでに遠いところに言った友人が舟をこぐ姿が。…ブルータス、お前もかっ!!!

私は思いを深くした。負けない!負けてはならない!!

所詮生理現象ではないか!このやうな眠気など私の鉄のごとき意志で打ち破ってみせようではないか!!

私は強く握りこぶしを握った。あたかも手のひらのツボを刺激するごとく。

しかし、その瞬間あの忌まわしいかすみが目の前に広がるのを私は感じた。それは、まさに刹那の出来事だった。


それから先は覚えていない。ただ自動筆記が残るのみ。

私は負けたのだ。自分自身、すなわち眠気に。

…誰か、大学の授業時間を45分に戻してください。