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vsゆどうふ 第十試合 <vsケーキ>
甘さというものは人生の幸せにおける何パーセントかを担っているといっても過言ではない、と
いわれたのは、彼の東海林さだお氏ではなかっただろうか。
そのとおり、人は甘いものを愛する。
いまや老若男女にかかわらず、ケーキは常に愛される食べ物である。
しかしケーキは多かれ少なかれ、食べるものの心中に強い葛藤を起こさせる食物である。
To eat, or not to eat...ああ、何故にお前は高カロリー食品なのだ?
人類の英知をもってしても、あの可憐な誘惑には勝てないのだろうか?
これは、そんな戦いの記録である。
ケーキ屋の前で立ち尽くして、既に五分は立っただろうか。
いつもながら思うに、何故ケーキというのはカラフルで可憐な姿をしているのだろう。
あんなに美しく美味そうな姿を見せ付けられては、こちらの財布の紐が緩むのも
いたしかたないことではないか。
しかしそれでいいのか、と己に問う声がする。
「お前はダイエットをしているのではないか。
よく考えろ。お前が毎日やっている30分の運動で消費できるのは
約300kcalといったところだろう。
だが、あのお前を惑わすショコラクリームは一個でなんと450kcal。
消費しきれない150kcalはお前の腹につくのだぞ」
理にかなっている。
あまりにも理にかなっていすぎるので、むしろ怒りを覚えるほどだ。
頭の中でぐるぐる回るカロリー表。
「ケーキに栄養的なメリットがあるのか?!
食事で炭水化物や脂質は取っているだろう。
なのに、なにゆえ砂糖と小麦粉と卵のカタマリを摂取しようというのだ?!」
理にかなっている。
あまりにも理にかなっていすぎるので、私はその声をあえて無視した。
…食べた分食事の量減らせばいいか。
「そんな小細工を弄してまでケーキが食べたいのか?!
単純に考えれば、アレを食べればもう夕食は半分しか食べられないのだぞ」
理にかなっている。
おそらく理にかなっているのだろうが、もう私は聞いていなかった。
結論:ダイエットって、難しいね★(ヲイ)