2096   外国語上達の原則
2006/08/06 13:45:06  ijustat   (参照数 59)
私は外国語学習法を学ぶことが趣味なので、今までその手の本はけっこうたくさん読んできました。でも、それらの本を読みながら、その多くが「〜メソッド」と銘打って、学習方法を固定してしまっているところに、かなり弱みがあると感じます。また一方で、そのように固定して具体的になりすぎているために、応用が利きにくくなっていることが多いように思えます。

それで、それらの方法がどんな原則から抽出されたものなのかを見極めたいと思っていました。なぜなら、外国語学習に長けた人は数多くいて、その人たちの方法は千差万別であり、時には相矛盾した主張をしているようにも感じられるけれども、それらは原則から見れば、特に矛盾しているわけではないような気がするからです。

私が外国語学習の方法から原則へ、一歩進んで考えてみたいと思うようになったのは、今の職場で学生たちに個別指導をする必要が生じてきたからです。学生たちに、固定したメソッドを紹介しても、あまり意味がないように思えます。彼らの学習環境は十人十色で、誰かに効果的な方法も、他の人には意味がなかったり、理解できなかったり、条件が合わなくて適用できなかったりするからです。

私は、外国語学習に長けた人たちは、たいして複雑な原理を扱ってはいないだろうと考えています。ごく単純な原則がいくつか身についていて、それを適切に用いて上手に外国語を習得していくのだと思います。

そこで、今まで調べてきたり考えてきたりしたことを、ここでもう少し自分なりに整理してみたいと思います。ただ、今この書き込みで全部考えるわけにはいかないので、連載みたいな形で、小出しに発表していきます。定期的にできるかどうかは分からないし、最後まで完結できるかどうかも自信がありませんが、学生たちのためにも頑張ってみたいと思います。

私が考えようとしているテーマは、次のようなものです。

 1.挫折を防ぐには
 2.覚えるには
 3.理解できるようにするためには
 4.使えるようにするためには
 5.正確に使うためには
 6.ニュアンスを把握するためには
 7.流暢に使えるためには
 8.テストの点数を高めるには

以上の8つの目的の大部分で共有される基礎的な練習があります。それは、「音読」と「書き写し」と「口真似」と「書き取り」です。この4つについては、たびたび触れると思います。

実は、8番は私にとっては手薄な部分です。でも、学生たちは就職の問題があるので、日本語能力試験のような公式なテストの点数は重要です。否応でも考えてみる必要がある部分です。

どこまで原則が抽出できるか、まだ分かりません。ひょっとしたら、原則にいたらずに具体的な方法にとどまってしまうかもしれません。そうしたら、遠慮なく指摘してください。それから、上のテーマを先取りして書き込んでしまってもかまいません。

最近めっきり書き込みが減ってしまったこのクラブですが、多少でも活性化させるのにお手伝いできたら、このクラブにお世話になってきた私としては、うれしいことです。