2065   再び、虹は七色
2005/02/25 11:39:02  pdca   (参照数 120)
実際には連続している虹の色の帯も、七つの色の名前を与えれば七色に見えて、二つなら二色にしか見えないという話は、大学の時にソシュールの記号論入門の授業で聞いていたのですが、ブックオフでいつの間にか買っていて積んでいた「日本語と外国語」(鈴木孝夫著)岩波新書の第二章「虹は七色か」に詳しく書かれていました。

最近考えているのは、音についても同じことがある程度言えるのではないかということです。

日本語にない音は聞き取れない。これは正しい部分と正しくない部分があるのではないかと思います。
例えば、カバン bag の発音記号は[baeg]と書かれます。(本当はaとeがくっついている)
この[ae]と言う音は、[a][e]との間の音で、日本語の音にはない音です。
実際は虹の色の連続と同じように、[a]から[e]に連続的につながる音の中にこの[ae]はあるのですが、日本語では「あ」と「え」しか音を与えていません。よって バッグになるのです。

虹が二色だという国の人たちも、虹が二色に見えている訳ではありません。我々が見ているのと同じ虹が見えているのです。

ニワトリが日本では「コケコッコー」と鳴いていますが、ニワトリの鳴き真似が上手な人は決して「コケコッコー」とは言っていません。
日本語の音に寄せて表記すると「コケコッコー」になるだけのことです。
我々にも、鳴き真似が得意な人にも、ニワトリの声は同じに聞こえているはずです。

[æ]は[あ]だと言う日本人にも[æ]は聞き取れているはずです。発音の時に日本語にない音で発音するというところに抵抗があるだけなのではないでしょうか。
ニワトリの鳴き真似と同じだと思ってリラックスして時間をかければ、やがてできるようになるでしょう。