1938   Re^2:左利きと右利きについて
2004/04/23 12:48:54  ijustat   (参照数 69)
これは 1937 [Re:左利きと右利きについて] への返信です

氷雨さん、ショウコさん、こんにちは。ijustatです。

>>他の国では自分のよく利く手についてどんな認識を持っているのか
>>かわからないんですけど今度は韓国の場合について話そうと思います

日本も韓国と同じく、右利き社会です。左利きの人のためのはさみなど、左利きの人のためのものも少しはあるようですが、ほとんどが右利きの人を基準にしています。そして、左利きの人も、右手で箸を持ったりペンを持ったりできるようになるために、苦労します。

>>ではどうしていきなりこんなことを話し出すんですって? それは...
>>この頃いろいろ事情があって右手の具合が悪いんです
>>それで左手で食事をしてます。あ、箸は左手と右手、両方で使います.
>>けど学食で食べる時、食板にはご飯は左、お汁は右に位置してます
>>ほとんどの人々が右手なんだから別に変なところを見つからないんですけど
>>この配置は左利きの場合には不便なのです.
>>(よく理解できない方は直に実験を... 汗)

氷雨さんの書き込みを読んで、私も左手で箸を持ってみました。いやあ、使いにくいですね。まともにコントロールできません。しっかり掴んでいるはずが、私が見ている目の前で、ポトリと落ちるのです。左利きの人が右手で箸を持たせられるのがどれだけ辛いか、察せられます。

ところで、日本でもご飯と汁物の位置は韓国と同じですが、箸を使って手に持って食べるので、私は不便だと思っていました。汁物を左側にすればもっと楽なのにと思っていたのですが、韓国に来てその理由が分かったような気がしました。あれは匙を使って食べるための合理的な配列だったのだと。だから、逆に言えば、日本の食卓は左利きの人にこそ向いていると思います。

>>結論を言うと韓国は”徹底な”右利きの社会です
>>全ての日常道具とか生活用具は右手に使いやすくなっています
>>
>>そんなことよりつらいのは左利きに対した認識なのです
>>もし家で年上の前で左手で箸を使うと即に叱られます
>>いいえ、むしろこん時、殴られなかったら幸いと言うくらい.
>>食事で左手を使うより無礼なことはないってわけです
>>
>>自分のよく利く手を使うのに無礼だなんてまだ理解できません.
>>育児をする時も子供に教えるのが”箸は右手に!”です
>>幼いころからそう育てられてたから左利きに対して否定的な認識があるのでしょうか
>>
>>私は今、場合にとって便利な手を使ってますけど
>>この”右手優位の社会”は左利きへの差別じゃないかなと思います
>>
>>皆様のご意見は?

これは人権問題ですね。韓国の報道を見ていると、時として、身障者は身障者であること自体がけしからぬことのような考えを、ことばの端々に感じることがあります。社会の例外的存在は、まさにその例外的だという理由で、切り捨てられるのです。

日本でも、そういう傾向は強いですが、韓国ではそれが“社会正義”であるかのように堂々と言う人も、少なくありません。それはおかしいと指摘したところ、それが韓国では“自然”なのだということでした。そりゃ日本でだって、例外を無視するのは自然だけれど、その自然なのが、それに当てはまらない人を疎外してるんですから。身障者だけではなく、外国人もそうだし、氷雨さんに指摘されて初めて気がつきましたが、左利きの人もそうなんですね。

でも、左利きの人には、特別な才能を持った人が多いと聞きました。だから自信を持ってください(笑)。宮本武蔵は左利きだったといいます。王貞治選手(監督?)も、左利きです。野球界では左利きの選手は神秘的な存在です。

>先日歴史のTVプログラムでお手洗いの話をしてました。
>その中で、、、まだ世界の某所ではトイレを使ったあと、紙や葉(笑)を使わずに「左手」で拭く習慣があるそうです。そういう所で、左手で握手したり、左手で他人を触るのは絶対にタブーだそうです。(そりゃあそうだ)
>と言うことで、本人の都合とは別に左手を右手より、下に見る社会もあるんですね。
>
>アメリカは箸で育つ人達は少数派で、フォークやナイフで食事をする人達が主流なので、、そのせいじゃないかと思いますが、左利き多いですね。しかも左で書くときに
>手の甲を向かいにいる人達に見せるように書く人が多いので、すごく不自然に見えます。
>日本では書道を小学校で教えているから(まだ在りますか?)その時には、右手で書くように強いているのではないでしょうか。。。。私が育った頃だけでしょうか?(笑)

そういえば、昔剣道を習っていたとき、左手は不浄の手と習いました。それで、練習のあとに手を組んで黙想するとき、左手を下にしたような気がします。

そうそう。韓国では、お酒を注ぐとき、左手で注ぐと、相手にひどく嫌がられます。日本では特にそんなことはないから(地方によって違うのかもしれませんが)、最初は本当に驚きました。

韓国語では、右は“オルンチョク(正しい方)”、左は“ウェンチョク(正しくない方)”と言います。現在は語源感覚が薄れているとは思いますが(“ウェン〜”は、左の意味以外には使われないから)、それでもこのことばの持つ意味は、大きいと言わざるを得ません。

ちなみに、ハングルの“ア”の音は、“ト”のように横棒が右に向いていて、唇を丸めない“オ”の音は、反対に横棒が左を向いています。これは、“ア”は陽母音で、唇を丸めない“オ”はそれに対応する陰母音なので、暗い陰母音は左を向いているのです。

この唇を丸めない“オ”は、現在のソウルでは口を広く開けた“オ”で、明るく聞こえますが、もともとは口を狭く開けた“ア”で、くすんだ暗い、いかにも陰母音という感じの音です。このような陰陽の感覚が、左右という意識に大きな影響を与えているのが現在にも至っているのかもしれません。

現在の韓国語では、この母音を陰陽で分ける母音調和が、かなり壊れてきました。そして、暗い音だった“オ”が明るい音になり、陰陽の感覚も、だんだん薄れてきているのではないかと思います。左利きの人が権利を獲得する日も近いかもしれません。