1884   会話が目的でない外国語の発音練習
2004/03/22 0:39:00  ijustat   (参照数 38)
実は私の趣味なのですが、発音に異常に関心があって、その外国語の正確な発音は何かということが、いつも気になってしかたありません。そういう自分の性向に今まで気づいていませんでしたが、気づいてからは、これはなかなかいいことなのではないかと思うようになりました。

私は中国語には片思いで、韓国語の勉強を始める1年前に一度教材を全部読んでいるのですが、それから20年たった今も、初級のままです。ところが、発音だけはいいらしく、中国人や中国語の先生に、発音が正確だと驚かれます。それよりは、長年のあいだ簡単な会話しかできない方が、もっと驚きではないかと思うのですが……。

これは、私が中国語の単語や表現に関心のなかったときでも、その発音にはいつも関心を持ち続けていたのが理由です。特に発音に関心を持ったわけは、中国語の美しい響きにえもいわれぬ魅力を感じたからです。そのように、私は中国語を愛していますが、中国語はそういう態度のいい加減な私を愛してくれないようで、今までずっと初級のままで来ました。^^;

しかし、これで自分が中国語の勉強を本格的に始めたら、少なくとも発音に関しては心配する必要はありません。話した内容は、使い方さえ間違っていなければ、通じるはずですから。

そこで考えたのは、たとえ話す予定がない外国語を学ぶときでも、発音練習を一緒に行うことは有益だということです。そして、音声学にも手を染めて、言語の音にはどんなものがあるのかをちょっと勉強すれば、発音練習は格段に効率よくなることでしょう。

正しい発音で外国語を読めれば、気持ちいいし、その国の人が実際に話すのを聞いたとき、単語が理解できれば、言っている内容が理解できる確立はずっと高くなるはずです。そして、いざその国の人と話す必要が出てきたとき、日本人の話す外国語に慣れていない人でも、意思疎通はかなり楽に行われるに違いありません。

これは、音声教材のなかなか手に入らない昔だったら、大変なことだったでしょう。しかし、音声教材がたやすく手に入る現在、正しい発音を身に付けることは、いとも容易いことになりました。そして、今ではコンピュータに録音して、編集もできるようになりました。昔だったら手が出ないくらい高価だったろうと思われるサウンド編集ソフトも、今はかなり安く手に入ります。それを使えば、音声の細部まで観察できるようになります。

欧米では何語を習うときでも耳から習うのが好きな人が多いらしく、ラテン語の教材にも聞き取りテープが付いています。巻舌のはずのイギリス人がベランメエと発音しているのを聞くと、不思議な感じがします。話によると、イギリス人による録音の古典ギリシャ語の教材もあるとか。

まあ、古典語ではなくても、読むのが目的の外国語を耳から学び、正確な発音を目指すのは、他にも副次的な効果があります。それは、文字を見たときに、その音が耳に響くので、その外国語が読みやすくなるということです。

ところで、国広正雄氏は戦時中、中学校の英語教科書を只管朗読していたそうですが、戦後進駐軍が来たとき、彼らの言っていることが理解できたそうです。

発音なんかどうでもいいような、戦前の英語教育でも、只管朗読していれば、英米人とのコミュニケーションができるようになるわけです。ならば、正確な発音で只管朗読していたら、意思疎通ははるかに円滑にできるようになるでしょう。そうやってインプットされた外国語の音声情報は、またその外国語を読むときに助けになると思います。

このように、特に会話を習わないとしても、正確な発音を心がけることは、外国語を学習する上で、大きなプラスになると思います。