1590   aとthe
2004/01/15 2:21:14  NOVIO   (参照数 18)
そういえばアメリカで会議があったとき、
いろんな立場のロビイストたちが議論したのですが、
そのうちのひとりが草案のtheをaにすべきだ
と断固として主張しました。

日本から見学にきた人たちは
「なんだか枝葉末節のことを議論してるねぇ」
とあきれていましたが、当時米国20州を転々と
しつつ、その案件の動向をつぶさに追っていた私には
彼らの意図がとてもよくわかりました。
彼は理由はいわず単にaとすべきといっただけでしたが。

theだと唯一無二の原則となりますが、
aだと一例にすぎないんですよね。
必ずしも同意できない条項が含まれている
彼らにとって、強制力が弱くなることは歓迎すべきことです。
草案を支持できるかどうかの鍵となる相違でした。

英語を勉強するときに、いつも実感するのは
文法や語法だけではなく、背景を知らないと
つらいということです。
必ずしも専門分野ではないいろいろな分野の
会議を通訳される通訳者の方々には頭が下がります。

言語は単に道具。
要は何を伝えたいかということ。
言葉自体に興味をもちがちな自分に対する戒めにしています。

ところでDALFの最終試験は仏語によるスピーチでした。
欧州統合についてどう思うかという出題がなされました。
わたしは自分の専門分野に持ち込み、欧州各国の制度の違いを
あげながら、欧州統合の困難さを論じました。

もちろん仏語をはじめて間もなかったので文法も完璧ではないし、
留学する前でしたので、決して流暢でもありませんでした。
でも面接官は知識を持ち合わせていなかったために
突っ込んで意地悪な質問をするポイントがつかめず、
ほぼ満点の成績をつけてくれました。

何をしゃべるか。どう考えるか。どう理論づけるか。
これがDALF攻略への第一歩だと思います。

この発言に対する返信…1591   It’s a Son○。
                 1592   Re:It’s a Son○。