1358   Teach Yourself 読み終わりました。
2003/05/25 17:29:48  ijustat   (参照数 31)

ゆどうふさん、こにちわ!ijustatです。

>す、すごい…そ、それは私の失敗なんかかすむぐらいにすごいです^−^;
>その「ヤ」のつくかた、一体どう反応されたのか…

ふとした拍子に、左手に持っていた肉の載ったトレイが傾き、そのお客さんの前に落ちてしまったのです。そして、肉がその人の腕にどさっと……。

そのときの自分の反応はよく覚えていないんですが、覚えているのはお客さんは何も言わず、黙ったままだったということです。店長が飛んできて、私を「あっちに行ってなさい」と追いやり、お客さんに鄭重に頭を下げて謝罪しました。

そして、お客さんが食べ終わって帰ろうとしたとき、店長はまた行って重ねて謝罪し、洗濯代にと言って、なんと1万円札を、表側をお客さんの方向に合わせて両手で持ち、頭を深々と下げながら手渡しました。お客さんは何も言わずに受け取って胸のポケットに入れました。

お客さんが立ち上がったとき、店長は「お代は結構でございます」と言い、お客さんは、黙って軽くうなずくと、そのまま出て行きました。

私はこっぴどく叱られるのではないかと心配しましたが、店長は何も言いませんでした。私が十分懲りているということが分かっていたのでしょうか。^^;

ところで、“Teach Yourself Beginner`s Greek”を読み終わりました。読み終わったと言っても、内容を身につけたわけではなく、とりあえず1回目の大雑把な読みが終わったということです。

この本にはとても独特なインストラクションがあるのですが、それは、8課からは課ごとに revision を要求するのです。で、どこをもう一度見ろというかというと、8課では1課を、9課では2課をといった具合で、最後の15課では8課を revise せよと指示します。

この指示は、各課の冒頭にある“Before you start”という部分でなされます。これに従えば、たとえば3課をもう一度読み直してからでないと、10課に入れません。

そして、15課の最後のところでもう一度、“... Don`t put the book aside though. You should continue your revision, starting with Unit 9 next time. Revise also anything you have highlighted in the book, or go over your index cards.”と、復習を勧めます。

この復習の方法は、とても合理的だと思います。私は今まで思いつきもしませんでした。外国語の勉強というのは、途中まで学ぶと、前の方で学んだ語彙や文法などを忘れはじめて、だんだんと前に進む困難度が増してきます。そして、一応文法は習ったはずなのに、だんだんでたらめになってくるのです。ところが、この方法では、忘れ始めた頃に忘れてきた部分をもう一度見るので、すっかり忘れてしまう前に記憶の再生ができます。もちろん、最初に読むときよりも遥かに楽に読めます(実は私は revision を指示通りにやっていないのですが)。

私のやり方は、この本の方針とは違い、指示通りには勉強せず、一通り読み終わってから、単語の綴り字の暗記(ギリシャ語は発音が綴りに比べて単純化しているので、これが特に重要)と、会話文の暗記を始めるというものですが、でもこの本の構成に影響されて、8課から暗記を始めました。これと一緒に1課を見て、次に9課と2課を一緒に暗記しようと考えています。

この方法のよさは、学習の際に要求される忍耐力を一部軽減してくれるという点にあります。復習するとき、第1課からまともに順々に勉強していくと、ある程度知識は身に付いたあとなので、1課はあまりに基本的で、単純で、もう少し何かがしたいという欲求不満を覚えます。そしてそれは、課が進むまで長く続くのです。しかし、真中の課から始めれば、ある程度の表現は出てきているので、その欲求不満は避けられ、さらに、多少の難しさも現れ始めているので、その部分が学習を刺激してくれます。これは、学習動機の持続を助けてくれるはずです。

そこで思いついたのが、教材を一通り読み終わったあと、本格的に学習する段階では、真中の課から始めるというものです。20課の教材なら1課と11課から、30課なら1課と16課から始めるわけです。大学書林の四週間シリーズなら(これは最初に一通り読むのも難儀ですが)、1週間目の第1日と3週間目の第1日から本格的な暗記を始めます。あるいは、それぞれの週の第1日から始めて、4つの第1日が終わったら第2日に移ってもいいかもしれません。これが私の思いついた、新しい動機維持の方法です。

外国語学習というのは、どうしてもかなりの分量を覚えなければならず、ある程度以上の時間がかかります。日本語の授業で学生に動機を供給し続けるのも大変ですが、自分が外国語を勉強しながら動機を維持し続けるのも、とても難しいことです。特に独学では、動機の維持はことのほか難しいものです。動機というのは、急な坂道を登るとき、後ろから押してくれるような力を持っています。その力が尽きないようにする方法を見つけるのはけっこう難しいことです。だから、こうやって一つでも見つけると、お祝したくなるくらいうれしくなります。

この“Teach Yourself”の教材には、それ以外にもいろいろ考えさせられる点があるのですが(暗記を始めると、さらに考えさせられる部分を発見します)、それはいずれ機会があれば、お話したいと思います。