1191   チュソクの連休
2002/09/20 20:01:27  ijustat   (参照数 22)
今日から日曜日まで、チュソクの連休で、ソウルは静かです。

チュソクというのは、日本のお盆のようなもので、旧暦8月15日の満月の日、里帰りして一族が集まり、墓参りしたり、祭祀を行ったりする、民族の大行事です。この日を前後して、全国の幹線道路は、帰省ラッシュで大混雑になります。

しかし、外国人は別に行くところもないので、ソウルでじっとしていることが多いのですが、店も閉まっているところが多く、とても“simsim hamnida(退屈です)”。妻は、教会の人たちと一緒に、子供を連れて、動物園のある遊園地へ遊びに行きました。私は、ギリシャ語を教えてもらいに、アリストテリス神父さんのところへ行ってきました。韓国人の友人たちは、今ごろはほとんどみな、ソウルから脱出していることでしょう。だから、この連休は、私にとっては、勉強することが、いちばんの退屈凌ぎ(simsim puri)です。

ところで、ギリシャ語を習いながら、日本語と韓国語は、名詞を修飾する順序が、とても階層的だと思いました。つまり、上位語から下位語へと並べる。たとえば、「2002年9月20日午後7時15分20秒」とか、「日本国東京都杉並区桜上水○番地 ○○ハイツ○号室 佐藤一郎様」のように、上位概念から下位概念へと並べていく。これは、ギリシャ語から見たら、整然としてはいるけれど、一番重要な語が最後に来ているので、不思議な感じがするそうです。日付はギリシャ語では日本語と逆で、「日・月・年」の順になります。名前も、「名・姓」の順です。住所は分かりません。

昔韓国語を勉強したとき、英語と日本語を比較する人に比べて、はるかに繊細な比較によって、日本語が観察できるようになりましたが、今またギリシャ語を勉強しながら、まったく違った角度から、日本語と韓国語の類似する統語上の特殊性が見えてきて、面白いなあと思います。たとえば、日本語と韓国語にある格助詞は、鈴木重幸を中心とする学派では、格語尾と捉えていますが、ギリシャ語と見比べていると、格語尾のような形態論的な性質よりも、はるかに統語論的な性質が強いと思われてくるのです。やはり、格語尾ではなく、助詞という単語と捉えた方が、日本語の構造の特性を説明するには相応しいのではないかという気がします。

という話はさておいて、ギリシャ語のいい辞書の存在を知りました。現代ギリシャ語の辞書で、“Oxford Greek-English Learner`s Dictionary”(D N Stavropoulos著)です。これはちゃんとした辞書で、用例が載っていて、その語の使い方がだいたい分かります。今度キョボ文庫へ行って、注文しようかと考えています。

私が持っている現代ギリシャ語の辞書は、“Pocket Oxford Greek Dictionary”というもので、希英と英希が一緒になっています。これは簡便でいいのですが、ただ残念なのは、用例がほんのわずかしかないという点です。まあ、それでも、ないよりはずっとましですけどね。

もう一つ私が持っている現代ギリシャ語の辞書は、なぜか英希で、“Collins English-Greek Dictionary”というものです。この辞書は、さすがコリンズだけあって、英語の用法に関して、用例付きで説明してくれているのですが、ギリシャ人が英語を学ぶのに最適にできているようで、私がギリシャ語で作文したかったら、まず英語が達者にならなければならないという問題を与えてくれる辞書です。しかし、英語さえ達者になれば、この辞書は、かなり達意のギリシャ文を書くのに助けになりそうです。というわけで、この辞書は、残念なことに、まだほとんど活用できていません。

この発言に対する返信…1199   Re:チュソクの連休
                 1201   Re^3:チュソクとお盆