1182   Re^2:現代ギリシャ語
2002/09/06 21:37:55  ijustat   (参照数 17)
これは 1180 [Re:現代ギリシャ語] への返信です

ゆどうふさんこにちわ!ijustatでっす。

今日も暗誦と手紙の課題はクリアできました。暗誦は、何度も何度も録音を聞いたり書き写したり音読したり付いて言ったりしたにもかかわらず、覚えきれなかったのですが(第1コリント13章1〜8節の「愛の讃歌」で有名な箇所です。時間があるときに内容を見てみてください。素晴らしい内容です。)、いざ始めてみたら、できてしまった。神父さんは、“I am proud of you!”と言って喜んでくれました。

パウロの手紙はギリシャ語が私には難しいので今まで敬遠していたのですが、こうやって避けられなくなって読んでみると、短いながらも、壮麗で緻密な建築物を見るような美しさがあることに気がつきました。アガペー(“愛”と訳されている)の深い意味が、迫力をもって迫ってくるのです。

手紙の課題の方は、書いているうちに、今まで読むだけだった古典ギリシャ語の知識が息づいてきて、知識のほとんどない現代ギリシャ語に混ざってごちゃごちゃになってしまいました。チェックをしながら、ある部分は古典ギリシャ語の文法でもよくて、ある部分は“strange”だと指摘されました。

ある部分は文語文法のままにしているので、ここは現代語に直さないのですかと尋ねると、それは大丈夫だと言います。現代ギリシャ語というのは、古典期から現代までのギリシャ語が同じ袋の中に入っているようなものなのだそうです。ギリシャ語はそのスタイルにより5つの時代に区分されるそうですが、まず最初が、ホメロスなどの作品が書かれた古典ギリシャ語、次に、アレクサンドロス大王がギリシャ語を世界に広めてのちのコイネー・ギリシャ語、次に、ビザンチン帝国が支配したビザンチン時代のギリシャ語、それから、カタレヴサ(純粋文語)と呼ばれている現代ギリシャ語、そして、ディモティキ(民衆語)と呼ばれている口語ギリシャ語です。現在はディモティキがギリシャの公用語になっているそうですが、神父さんは私にカタレヴサで話してくれているのだそうです。このカタレヴサは、現在は年配の人たちが時々話すけれども、若い人たちが聞いたら古臭いといって笑うのだそうです。シュリーマンが始めに習った現代ギリシャ語は、カタレヴサだそうです。

私の目には、カタレヴサは、コイネー・ギリシャ語とディモティキの過渡期的な形態のように見えます。大枠はディモティキと似た構造だけれども、随所に文語的な要素が見られる。だからかどうか分かりませんが、私の現代ギリシャ語と古典ギリシャ語がごちゃまぜになった言葉でも、ちょうどいいのかもしれません。^^;

しかし、今までコイネー・ギリシャ語を学んできて、現代ギリシャ語を、文法でなく会話から学びはじめると、文法が頭の中でごちゃ混ぜになってしまいます。古典と現代の比較ができるいいものがほしいと思い、ひょっとして、現代ギリシャ語の新約聖書はありますかと尋ねると、あるのだそうです。コイネーの原典とカタレヴサとが対訳になった新約聖書があって、それをくださると言われました。それでは申し訳ないので買うと言いましたが、くださると言うので、お言葉に甘えることにしました。対訳の聖書が手に入れば、現代ギリシャ語とコイネー・ギリシャ語との比較ができるので、期待しています。

文語と口語とを変化表で比較することはできるのですが、言語はパラディグマティックに見ていくよりも、シンタグマティックに見ていった方が理解が早く深くできるので、同じ内容での文語・口語の対訳は、大いに役にたつと思います。

今日はマイクを忘れていって、新たな聖書箇所が録音できませんでした。そして、なんと、今日は言語教育院の韓国語のクラスが最終日で、次の学期は9月30日まで待たなければならないのです。でも、神父さんが、あとで電話して一緒に会って食事でもしようと言ってくれているので、そのときにまた新しい段落を読んでもらおうかと思っています。

ところで、私もこれから修士論文の準備に取り掛かりますが(と、話題がいきなり飛ぶ)、ゆどうふさんも、卒業論文の準備をがんばってください。お互い、卒業に向けて頑張りましょう!