846   Re^5:意味の説明
2002/01/10 13:27:40  ijustat   (参照数 9)
こんにちは、DEBUさん、ijustatです。

>こんにちは、やっと正月太りが抜けて来て年末の体型に戻りつつあるDEBUです。

>普段から言葉のちょっとした「違い」について考えるのが好きなんですよ。
>例えば、ここのところずっと考えてるのが、
>「きょうし」ってのは「教師」なんて書きますけど、「師」と仰げるような人物に
>なれるのかな?そうしたら自分は職業を「教師」じゃなくて「教使」「教次」とか
>他の字で書くべきなのかな?ってそうしたら字の意味でも納得がいくんですよ。
>
>公立の学校だったら公務員になるので、「教育に携わる国からの使い」って事で
>「教使」とか、「教師に次ぐ存在」という事で「教次」ってな感じで。

学校で教えるのは「教諭」って言いますよね。「教員」でもいいし。「教者」や「教人(きょうにん)」なんてのは、どうでしょうか。変かな。「教士」だなんていうのはどうか。

ちなみに、ギリシャ語で“教師”や“先生”を意味する“didaskalos”(ディダスカロス)は構成要素に“指”が含まれるので“指し示す人”のような意味が原意らしく、“教授”を意味する“kathegetes”(カテーゲーテース;現代ギリシャ語の発音ではカティギティス)は“導く人”という意味のようです。このように他の言語で“教える人”を表す語がどんな構成要素から成り立っているか考えるのは役に立つかもしれません。

またちなみに、『新字源』によると、「師」というのは、多くの人々とか、みやこ(京師)とか、軍隊(師団)とか、おさなどの意味もあるそうです。もとは、人間の居住地、丘の形象で、集団や、集団の居住地、またはその長の意を表したそうです。そのような意味から、指導者の意味になり、師匠の意味になり、そして先生の意味になっていったようです。

>あと、「うまれる」っていうのは「産む」の受身なのか、それとも「産まれる」という
>動詞なのか、とかこんな感じでくだらない事ばっかり考えてるんですよ。なんで、今回も
>はてどうだろ…って考えてみたんですよ。でも、母国語を外国の方に教えるのって
>本当に難しいですね。普段気に留めないことを説明するんですから。ijustatさんは
>何年くらいこのお仕事をなさってるんですか?

言葉の意味について考えることは、思考について考えることの大きな一部だと思います。「うまれる」が「産む」の受け身なのか、受け身ではなく自動詞なのかという問題は、些末なようにみえて、大事な問題だと思います。

ちなみに、「生まれる」の文型を見ると、[<名詞>が生まれる]という文型が一番基本的で、受け身と同じ[<名詞1>が<名詞2>に生まれる]という文型の枠組みに入れてみたとき、<名詞2>が“行為者”にはならずに“場”になってしまうようです。ということは、「生まれる」は受け身から出たのだろうけれども、受け身とは言えないようです。

私は日本語教師の仕事は、正式には91年の1月からやっています。長ければいいというものではないので、むしろ91年からやっていると言うのが恥ずかしいのですが、説明するのだけは上手になったようです。