467   Re^2:〜ございます について
2001/06/18 01:32:31  ijustat   (参照数 17)
こんにちは、氷雨さんとvlo_olqさん。

>ijustatさん、これであってますか?
>間違った事を教えたら悪いので違ったら訂正して下さい。

合ってます(なんて、偉そうに言っていいのだろうか・・・(汗)。責任は取ります(冷汗))。

で、もう少し余計な説明を加えると、こうなります。かえってわかりにくくなってしまうかもしれないので、適当に読んでください。

まず、"k"の音は、脱落することがあります。これは、平安後期から室町時代頃にはほとんど法則的になっていました。現在行われている"k"の脱落は、たぶんその時の居残りだろうと思います。

例:おく[ok-u]→*おきて[ok-ite]→おいて[o-ite]

それから、母音が連続するとき、次のような変化を起こします。まず、歴史的な変化から・・・。

/au/→/oo/(「王」(わう→おう)、「高」(かう→こう)
(※“→”の左は歴史的仮名遣い、右は現代仮名遣い)

それから、次の表記は現代語では文字どおり発音されません。

/iu/→/yuu/(“言う”の発音は“ユー”、アルミニウムの発音は“アルミニューム”)
/ou/→/oo/(“ゆどうふ”の発音は“ユドーフ”^^)

それで、次の形容詞は、「ございます」が付くとき、以下のように変化します。

あかい
[akak-u]→[aka-u]→[akoo]
おおきい
[ookik-u]→[ooki-u]→[ookyuu]
うれしい
[uresik-u]→[uresi-u]→[uresyuu]
あつい
[atuk-u]→[atu-u]→[atuu]
おそい
[osok-u]→[oso-u]→[osoo]

「おおきうございます」「うれしうございます」と書いてもよさそうなものですが、なぜか「おおきゅうございます」「うれしゅうございます」と書きますね。「言う」は「ゆう」とは書かないで「いう」と書くのに、変ですね。その辺は、現代仮名遣いを決められた偉い先生方の深遠なお考えがあったのでしょう。

この変化は、もともと江戸(今の東京)の文法ではなく、上方(京都、大阪のある地域)の文法でした。今でも大阪では「寒くない」を「さむない」と言うそうです。これは「さむうない」が少し短くなった形だと思います。

で、これは上品な言い方なので、俗語の形容詞と一緒には使われません。使えないものを間違って使ってしまった例を、こちらで紹介しましたので、ご覧ください。

あ、ちなみに、今の形容詞の終止形は、文語文法(つまり、昔の言葉)の連体形の末裔です。昔の終止形は、今に伝わらないでほとんど死に絶え、ときどき「よし!」みたいな形でゲリラ的に出てきます。なんで昔の言葉の連体形が今の終止形になったか、上の説明から分かった人は、手を挙げてください(笑)。