268   タイ語の教材
2001/03/17 03:29:49  ijustat-lj   (参照数 17)
別に身につける気もないのに、タイ語の教材を買ってしまいました。しかも、2種類も。

最初は、韓国外国語大学校出版部で出されたもので、テープ2本付きの、デザインのしゃれた教材でした。

しかし、テープを1回聞いて、放り出してしまいました。文字と発音の説明が、延々と続くのです。文字の書き方に関する説明もありません。前書きには独学者への配慮があるようなことが書いてあるけれども、これでどうやって勉強しろっていうんでしょう。

あとで著者の略歴を見たら、タイ語教育学を学んだと書いてあるので、ひっくり返るほど驚いてしまいました。

次に買ったのは、一般の語学教材専門のサムジサ(三志社?)というところから出た教材で、これも韓国外大の若い先生が書いたものですが、こっちの方がまだずっとましでした。テープは文字と発音の解説が手短で、例文は必ず最初に韓国語を言ってからタイ語を言うので、何度も聞いていれば、テープだけで、ある程度タイ語が覚えられるかもしれないと思いました(これは私が理想とするテープ教材のあり方ではないのですが)。

この本には、巻末に、タイ語の文字の書き方も載っていました。ただし、索引は付いていませんでした。

それにしても、タイ語の文字ってずいぶん複雑ですね。新しい外国語を始めるときに感じる不安と拒否感、それに挫折感をたっぷり味わうことのできる文字です。あれは、ただ眺めているだけなら、緑に生い茂った草むらを眺めているようで美しいのですが、いざそれを文字として知ろうとすると、とたんに、魔物をギロリと睨み付けるトーテンポールのように厳しい顔をし始めるんです。

ところで、なぜそんなヒマなことをやるかというと、日本語教師というのは、自分が完璧に使いこなせる日本語を教えるため、学習者に対して非常に高慢になってしまいやすいからです。韓国で教えている日本人教師の場合、かつては韓国語の学習者でもあったわけだけれども、韓国語の勉強を始めたのは遠い昔という人が多いために、韓国語の学習経験は、ほとんど忘却されて美化されている場合が多いんです。

それで私は、同僚の先生たちに、日本語教師は随時新しい外国語を身につけるために勉強して、学生たちと外国語学習の困難さを分かち合うべきだと主張しています。私の場合は、自分が外国語を勉強してみると、学生たちの気持ちが分かるというよりも、学生たちを尊敬してしまいます(笑)。私が韓国語を勉強したときは、その学習速度や効果を考えたら、落第する学生よりももっとできが悪かったのです。

いやしくも中級の学生たちは、日本語の基本はすでに習得しているわけです。だから、学生たちに、「私は、こんなに早く日本語を習得している皆さんを尊敬しています。皆さんがたとえ落第しても、私は皆さんを尊敬します」と言うと、学生たちは、皮肉な顔でにやりと笑います。いや、決して皮肉ではないのに(汗)・・・。

というわけで、タイ語の教材は、そういう自分の現実をもう一度しっかりと見せてくれるいい機会になっています。

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